NHK「テレビでスペイン語」で学ぶスペインの料理(2012年4月~9月)
2012年度(4月~9月)、「EURO24(伊、独、仏、西)」の共通テーマは、街歩きで学ぶ24のフレーズ。「スペイン語」はバルセロナの街歩きです。
ナビゲーターは森口瑤子さん、講師は福嶌教隆先生、パートナーはクリスティナ・センザノ・ロサさんとマルコス・アントニオ・ゲレロ・ロメラさんです。
ここでは番組に出てきたスペイン料理やレストランなど食の話題をメモしています。
※スペイン語表記はかつてブラウザ等の関係により正しく表示できなことがあったため、アクセント記号( ' ~)などは省いたままです。ご了承ください。
■番組データ
タイトル:「NHKテレビでスペイン語」
放送日・時間:2012年4月~9月 毎週木曜日 22時25分~22時50分(再放送)毎週木曜日 12時00分~12時25分
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第14回
レストラン「Dos Cielos」
●「街歩きフレーズ」で訪れたのは、レストラン「Dos Cielos」。2008年にオープンした高級ホテル「ME Mella」の24階にあり、創作カタルーニャ料理が評判のお店です。ディナーでは、二品注文するのがお約束。メニューから、一皿め(サラダやスープなどの前菜)、二皿め(肉や魚などのメイン料理)を選びます。
ジナさんは白インゲン豆の冷たいクリームスープとマグロのステーキを注文しました。
白インゲン豆の冷たいスープは、もったりとしたクリームスープの上に、ヤマドリタケ、トリュフのゼリー、フレッシュなつまみ菜などがこんもりと盛られて、サラダのように美しく豪華でした。味わった感想は「バターみたい。口の中でとける。とってもクリーミー」。
まぐろのステーキは、四角くブロックに切ったものを2つ高低差をつけて盛り、それに小さくきざんだトマト、黄色いタピオカ、ハーブが入ったソースがかかっていました。彩りが美しい。味はエキゾチックで濃く繊細味わいだったよう。ブラジル料理のフュージョンという説明でしたが、どの部分がそうなのかは不明。
今回のキーフレーズ「Riquisimo!」(すごくおいしい!)。
●「バルセロナとっておき情報」でも、引き続きレストラン「Dos Cielos」が紹介されました。双子のシェフ、セルヒオ(Sergio Torres)さんとハビエル(Javier Torres)さんが作る料理は、スペインの伝統料理をアレンジしたり、ブラジル料理のエッセンスを取り入れたり、繊細にして華やか。
このレストランでユニークなのは、お客様の料理に対する感想をグラフィックアートにして見せてくれるというサービス。パソコンに味、食感などの項目ごとに打ち込んでいくと、それが色や形に変換されてグラフィックアートになるのです。希望すれば、作品のデータを受け取って、家で楽しむこともできるそう。
おいしい記憶をアートにしておくと、後々までも楽しめますね。
7/12放送 (2012.07.19)
第13回
dar calabazas
ダール カラバサス=異性をふる、落第させる(かぼちゃを与える)
直訳すると「かぼちゃをあげる」ですが、「異性をふる(求愛を拒む)」という意味になるのだとか。その昔、男性が女性にプロポーズして、かぼちゃの料理が出たらお断りのサインという風習から。「中身がない」「役立たず」を表すことも。「とっておきフレーズのコーナー」で紹介されました。日本でも「どてかぼちゃ」なんて言いますねえ。かぼちゃって気の毒。おいしいのに。
7/5放送(2012.07.18)
第10回
ワインクラブ「Monvinic」
●「街歩きフレーズ」で訪れたのは、ワインクラブ「Monvinic」。会員制だが、バルスペースは誰でも入れる。20カ国4000種類のワインが揃っていて、注文はタッチパネルからできるほか、ソムリエに相談して決めることもできる。
今回のキーフレーズ「Que me recomienda?」(おすすめは何ですか?)。
そこですすめられたのは、カタルーニャのスパークリングワイン、CAVA(カバ)。
おそらくALBELT i NOYA「Cava Brut 21」。葡萄品種は、シャルドネとパレリャダ。シャルドネで作られているので、他のカバよりもまろやかでクリーミー。林檎や洋梨の香り、ハーブ、ブリオッシュとバターの香りも少し…なのだとか。
「CAVA(カバ)」
●「バルセロナとっておき情報」では、バルセロナの北西45kmに位置するサン・サドルニ・ダノイア(Sant Sadurni d'Anoia)の老舗ワイナリー「コドルニウ(CODORNIU)」が紹介されました。
アーチ型の屋根が印象的な建物はガウディと同時代のプッチ・イ・カダファルク作。現在はレセプションホールとして使われている。
貯蔵庫は地下5階で一定の温度が保たれている。そのなかに5千万本のボトルがぎっしり。通路は総延長30Kmにもなり、トロッコのような乗り物で移動する。
「CAVA」は古語で洞窟という意味。洞窟のような酒蔵で熟成させることからすることから、この名がついた。
・乾杯は「Salud!(サルー)」と言うが、「Salud」には「健康」という意味がある。
・コルク抜きは「sacacorchos(サカコルチョス)」。(saca=取り出す corcho=コルク)コルクを何度も抜くので複数形になっている。
6/14放送(2012.06.20)
第7回
チョコレート(Chocolate)
「バルセロナとっておき情報」では、チョコレートの歴史とともにチョコレート博物館とペトリチョル通りにあるチョコラテリアの「Granja La Pallaresa」、サルバドール・ダリもバルセロナに来るたびに通ったという老舗「Granja Dulcinea」が紹介されました。ちなみにダリの定席はお店の一番奥のテーブル。定番メニューは、やはりチョコラテ・コン・チュロスで、レポーター嬢もチュロスをホットチョコレートに浸して食べていました。
チョコレートの歴史をひもとくと・・・
16世紀、バルセロナの港には新大陸やアフリカから様々なものが陸揚げされていた。その中には、チョコレートの原料になるカカオも。もともと飲み物として入ってきたチョコレートは、貴族しか飲むことができなかったが、19世紀の産業革命を経て次第に街のカフェなどで飲まれるようになる。その名残りがペトリチョル通りにはあるんですね。
また、カサ・バトリョの隣にあるカサ・アマトリェー(Casa Amatller)は、チョコレート事業で成功をおさめたアマトリェー氏の邸宅だったとか。そう言われると、ファサードの装飾はお菓子の家のよう。バルセロナにはほかにもチョコレートにまつわる施設がいろいろありそうですね。
5/24放送(2012.05.28)
第6回
パナジェッツ(panellets)
●「街歩きフレーズ」で訪れたのはサン・ジュセップ市場。キーブレーズは「Un momento」(ちょっと待って)。
●「バルセロナとっておき情報」では、カタルーニャ版ハロウィンの日「カスタニャーダ」(10/31)に食べるお菓子「パナジェッツ(panellets)」が紹介されました。
かつてカタルーニャ地方では、日本でいうお盆のような日「諸聖人の日」の前日、10月31日に一晩中鐘をついて死者を弔う習慣があり、鐘をつく人たちの体力をつけるため、栗(カスターニャ)やさつまいもが食べられていたことから、この日を「カスタニャーダ」と呼ぶようになった。その日は、家族や友人たちが集まって、甘いワインを飲みながら栗やパナジェッツなどを食べる。
カタルーニャ以外の地方では、聖人の骨(Huesos de Santo)というお菓子だったり、
メリダでは「caldereta」(煮込み料理)を食べたりもする。
【パナジェッツ レシピ】
<材料> 30個分
- さつまいも……250g
- アーモンドの粉……150g
- 砂糖……150g
- レモンの皮……1個分
- 松の実……150g
- 卵……1個
<作り方>
- さつまいもを茹でてつぶし、砂糖とアーモンドの粉を混ぜ合わせる。
- レモンの皮をすりおろし(1)に混ぜ、冷蔵庫で1時間ほど生地を休ませる。
- 生地を一口大にまるめ、卵白をつけて、松の実をまぶす。
- 卵黄を表面に塗って、180度のオーブンで10分焼く。
形を変えたり、ココナッツやアーモンドダイスをまぶしてアレンジも楽しめる。
Como churros
コモ チュロス=チューロみたい
「チューロみたい」というのは、チューロのように飛ぶように売れる、たくさん作られて次々と売れということ。チューロは朝食としても食べられているので、朝からチュロス屋さんは大繁盛ですもんね。「とっておきフレーズのコーナー」で紹介されました。
5/17放送(2012.05.28)
第5回
タパス(tapas)
●「街歩きフレーズ」で訪れたバルは、ボルン地区のタジェール・デ・タパス(Taller de tapas)。 キーフレーズは「Un cafe, por Favor.」(コーヒーをお願いします)
●「バルセロナとっておき情報」でバルセロナのタパス界のカリスマシェフとして紹介されたのは、「bubo」のカルレス・マンペル(Carles Mampel)さん。パティシエとしてコンクールで何度も優勝。その美意識と発想力をタパスにも活かしているそうです。
カルレスさんの新作タパス作りの現場をのぞいてみると・・・調理器具が入ったカバンは、工具箱のよう。チョコレートを乾かすドライヤー、筆、ナイフやスプーン等いろんなものが入っていました。新作のタパスは、まず、じゃがいもの皮をむいて、数カ所、直径1cmほどのまるい穴をあけたら、油でまるごと揚げる。次にソースを穴につめて皿に盛る。じゃがいもにナイフを入れると、丸い穴の中からソースが出てくるという仕組み。ナッツのロメスコソースを添えて、まるでオブジェのようなスタイリッシュな盛りつけです。
他にも、えびにお米のパスタを巻き付けて揚げた「えびの美容師(Gambas Peluqueras)」や、茶色のチーズや黒いキャビアで土を、野菜のゼリーで緑をあらわした「大地のサラダ(Ensalada de la Tierra)」などを創作。新作のアイデアは、いつも持ち歩くノートに盛りつけイラストと共にメモされていました。
バルセロナでは、毎年タパスコンクールが開かれている。2011年には41店舗が参加。客が食べ歩いて投票し1位が決まる。こうして切磋琢磨しあうからこそ素晴らしいタパスが生まれるのでしょうね。
TapasのTapa(タパ)は、ふたという意味。諸説ある中「飲み物に虫などが入らぬようグラスの上にパンや肉などをのせてふたの役目もしていたことから、タパスと呼ばれるようになった」とは、福島先生のご説明でした。
Como una ostra
コモ ウナ オストラ=牡蠣みたい
スペイン語で「牡蠣みたい」というのは、「退屈な」にかかる言葉。岩場に張り付いてじっとしている牡蠣のように退屈であるという意味で使われるそう。「とっておきフレーズのコーナー」で紹介されました。
5/10放送(2012.05.13)
第3回
Mucho ruido y pocas nueces.
ムチョ ルイド イ ポカス ヌエセス=大きな音、少ししかないクルミの実
くるみをふると大きな音がして、実がたくさん詰まってるように思えるが、割ってみると少ししかない。大騒ぎするわりに、たいしたことはない、肩すかしという意味だそう。「大山鳴動して鼠一匹」をスペインではクルミにたとえてこんな言い方をするのか。「とっておきフレーズのコーナー」で紹介されました。
4/12放送(2012.04.13)
第1回
A cada cerdo le llega su San Martin.
ア カダ セルド レ リェガ ス サン マルティン=どんな豚にも、いずれ聖マルティヌスの日が来る
どの豚も聖マルティヌス祭日(11/11)の頃は、マタンサ(matanza)があって一生を終える。マタンサは、豚を解体してハムやソーセージを作る行事。「いずれ報いを受ける」という意味で使われているそうです。「とっておきフレーズのコーナー」で紹介されました。
4/5放送(2012.04.06)
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