セニョーラ・あ〜の気ままな食卓

NHK「テレビでスペイン語」で学ぶスペイン料理(2009年4月~9月)

2009年度(4月~9月)はスペイン観光がテーマ。旅先で使える便利なフレーズ「らく旅フレーズ」を使いながら、トレドはカルロスさん、アンダルシアはベゴーニャさんが担当しました。スタジオでは、伊礼彼方さんの進行で、粕谷てる子先生、マリア・ゴメス・ベドヤさん、エドゥアルド・モレノ・プリエトさんが解説。

ここでは番組に出てきたスペイン料理の話題と、そのときの「らく旅フレーズ」をメモしています。

※スペイン語表記はかつてブラウザ等の関係により正しく表示できなことがあったため、アクセント記号( ' ~)などは省いたままです。ご了承ください。

■番組データ

タイトル:NHK「テレビでスペイン語」

放送日・時間:2009年4月~9月毎週木曜日 深夜24時~24時25分(再放送)毎週火曜日 午前6時~6時25分

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第24回

トレベレスのハモン・セラーノ工場

アンダルシアのアルプハラ地方トレベレス。シエラネバダ山脈の登山口でもあるこの村の標高は1,476m。ここのハモンセラーノ工場を訪ねます。
らく旅フレーズは・・・

「Jamas olvidare esta experiencia.」
(ハマス オリビダレ エスタ エクスペリエンシア)

「この経験は絶対に忘れません。」

おいしい生ハムを試食した時と、レストランでスープを飲んだ時に、このフレーズを使っていました。

メモ

・生ハム工場では、手作業で豚のもも肉に、粗塩をすり込んでいく。その作業場がすごかった。まるで砂場。いや砂じゃなくて塩。作業着の職人がスコップ片手に、塩をまぶし、壁に向かってきれいにもも肉を積み上げていっている。その粗塩のすり込み具合で、生ハムの出来も変わってくるそうな。

塩漬けが終わると、セカデロという施設に吊して乾燥・成熟させるのだが、それはもう所狭しとぶら下がっていて、生ハムのジャングルのよう。特にエアコンを使う訳ではなく、窓の開け閉めによって温度や湿度を調節している。冬は乾燥し、夏は暑さで熟成が進む。自然の力を利用した昔からの手法。約2年熟成させて完成する。

その生ハムは、塩辛さはなく甘いくらいの味わいだとか。塩は成熟させるためであり、味付けではないから。その加減が絶妙なのだろう。

・地元レストランでの、おすすめ料理は、「ソパ・アルプハレーニャ」(生ハムの骨でだしをとった、ゆで卵とピーマン、揚げパン入りの生ハムスープ)、「トゥルチャ・コン・ハモン」(虹鱒ソテーに生ハムと、にんにく、パセリ、白ワインにレモンジュースで作ったドレッシングがかかっている)

9/25放送(アンダルシアレポートより)(2009.09.27)

第23回

ホームパーティでミガス

グラナダの小さな村カスティーリョ・デ・タハルハのお宅を訪ねます。
らく旅フレーズは・・・

「Puedo ayudarte en algo?」
(プエド アユダルテ エン アルゴ?)

「何かお手伝いしましょうか?」

日曜日、ホームパーティに招かれたベゴーニャさんが、ミガス作りのときに言っていました。

メモ

・ホームパーティに招かれたときの心得

  1. 全員とベソ(両頬をくっつけてする挨拶のキス)をする。
  2. お菓子やワインなどの手みやげ(detalle)を持っていく。
  3. 手伝うときは確認する。「Puedo ayudarte en algo?」
  4. 食後のお菓子に備えて、食事は腹八分目にしておく。
  5. おいとまは20~30分前に告げる。

・パンと小麦粉を炒めたミガスの作り方が豪快だった。水に浸したバゲットパンをおにぎりのように丸めて絞っておく。ボールにいっぱい。中華鍋のような鍋に、揚げ物でもするぐらいたっぷりのオイルを熱し、小麦粉を振り入れる(カップ1杯ぐらい?)。その後絞ったパンも加え、かき混ぜる。小麦粉がねばって、まるで大量の自家製シチュールウのよう。さらに何か粉を入れ混ぜ合わせて、ほろほろになったら出来上がり。味付けはどうなのかは不明。お皿に、揚げたピーマン、焼いたベーコン(トシーノ)、焼いたいわし等と一緒に盛り合わせる。メロンとも合わせて食べていた。

・ミガスはアンダルシアの農民達の定番料理。畑で働くときは、朝はミガス、昼はコシード、夜はポテトフライといった具合。

・食後のお喋りタイムを「Sobre mesa(ソブレメサ)」という。

9/18放送(アンダルシアレポートより)(2009.09.20)

第21回

グラナダのワイン

今回はグラナダにあるワイナリーを尋ねます。
らく旅フレーズは・・・

「Si, me encantaria.」
(シ, メ エンカンタリア)

「はい、よろこんで」

ベゴーニャさんは、バルでワインのおかわりを促された際、ワイナリーでの試飲の際、ワインを買いに行こうと誘われた際に使っていました。
似た表現では「Si, estupendo.」。

メモ

・グラナダのワイン「セニョリオ・デ・ネバダ」のボデガへ向かう。グラナダから、シエラネバダ山脈を眺めながら南へ20キロ。この地のワインは有名ではないが、最新設備で作られる高品質のワインとして、近年注目されている。

・ウエトール・ベガという村は、独特の淡いさくらんぼ色をしたワイン「MOSTO」の醸造で有名。自家製ワインを量り売りしていて、新酒の季節(11~12月)には村の人が瓶を片手に買いに来る。

・スペインは各地に小さな醸造所があるが、小規模が小さいので、あまり外にはでない。

・カナリア諸島のランサロテ島のぶどう畑は独特。火山性の土壌で1つ1つのぶどうの木を石垣でまるくかこって栽培している。このユニークなぶどう栽培は「ラ・ヘリア(La Geria)」と呼ばれている。

9/4放送(アンダルシアレポートより)(2009.09.05)

第19回

グラナダのアラブ街のテテリア

今回はグラナダにあるアラブ街の観光です。
らく旅フレーズは・・・

「Para que sirve?」
(パラ ケ シルベ?)

「何に使うのですか?」

ベゴーニャさんは、テテリアで水たばこを見てを尋ねてました。

メモ

・「タジン」はタジン鍋に入れて野菜の水分だけで煮込むモロッコ料理。番組では、プラムとアーモンド入り仔羊のタジンが登場。

・スペインのお菓子はアラブから影響を受けたものが多い。ショーケースには、ラードを使った焼き菓子マンテカードのようなもの、トゥロンのルーツとも言える菓子(アーモンド風味で三角形に切ってあり、ごまが振ってある)、「ペスティーニョ」とそっくりのかりんとうのような揚げ菓子(やはりごまがふってある)などが並んでいた。

・アラブ風の喫茶店「テテリア」。水たばこが吸える。たばこの葉をいぶし、煙が上がったら準備完了。吸い込んだ煙はいったん水を通って冷やされる仕組み。30分~1時間楽しめる。ベゴーニャさんは「オレンジの味でおいしい」と。

8/21放送(アンダルシアレポートより)(2009.08.23)

第17回

地元の方に聞く流行のレストラン

ガイドブックよりも最新のレストラン情報を知りたいなら、地元の方に聞くのが一番。そこで、らく旅フレーズは・・・

「Que restaurante esta de moda?」
(ケ レスタゥランテ エスタ デ モダ?)

「どんなレストランが流行っていますか?」

ベゴーニャさんは、このフレーズを使ってレストランに出かけます。

メモ

・グラナダでも寿司バーが流行っている。生ビールを1杯注文すると、無料でタパが1皿付いてくるのがグラナダのバルだが、寿司バーでもついてくる。ベゴーニャさんのお皿には、サーモンにぎりとカリフォルニア巻とガリがのっていた。

・エルビラ通り(Calle Elvira)のバル。ビールを一杯注文して出てきたタパ(おつまみ)は、大きなサンドイッチにポテトフライの盛り合わせ。2杯目を注文すると、今度はハンバーガーに、オリーブとコロッケの盛り合わせ。以後、3杯目、4杯目と、8杯目まで準備されてるそう。

・メソネス通り(Calle Mesones)でも道行く人に尋ねる。魚介類がおいしい「Cunini」や、タパスがオリジナルで雰囲気のいい「El Mummo」など教えてくれる。

・闘牛場の中に作られたレストランがある。アルベロ(闘牛場の土)の上にすぐに撤去できる仮設のテント張りでできている。トマトのマリネ(Tomate alinado con vinagreta de perejil y ajo)、豚あばら肉のはちみつ風(Costillas de cerdo a la miel)、どちらも量が多い。3人分はありそうだった。

7/31放送(アンダルシアレポートより)(2009.08.04)

第16回

トレド名物マサパン

トレドの名物菓子「マサパン(Mazapan)」。他の地域ではクリスマスのお菓子として有名ですが、トレドでは1年中売られているんですね。マサパンといっても、いろんな種類があって、一口サイズの餡切りのようなものから、おなじみの餃子型(デリシアマサパン)、模様をかたどった丸いケーキ型や、ウナギがとぐろを巻いたようなものまで。

レポートでは、デリシアマサパン(Mazapan delicia)を作っている様子が見られました。

  1. マサパンの生地を丸く型抜きし、その中央に黄身と砂糖を練ったものを置いて半折にして包みます。
  2. その上に、デリシア(クリーム状の生地)をのせて、餃子のような形にします。
  3. 鉄板にならべて、表面に卵液を塗り、オーブンで焼いて出来上がり。

通常マサパンは、アーモンドの粉と砂糖を練って形作り焼いたものですが、トレドでは、その煉った生地のなかに、卵と砂糖でつくった餡を入れるんですね。まさに、日本のお饅頭のよう。加えて、デリシアマサパンでは、クリーム状の生地を乗せていました。

しかし、肝心のデリシアという生地がわかりません。何からできているのでしょう。やっぱりアーモンドかな。気になります。

そうそう、今回の「らく旅フレーズ」は、

「Nos puedes explicar?」
(ノス プエデス エクスプリカル?)

「わたしたちに説明してもらえますか?」

1人の場合は(Me puede)。

「Puede~?」「por favor」と併せて、何か依頼するときに使える表現ですね。

カルメンを改装したレストランで

ベゴーニャさんは、グラナダのアルバイシン地区で、眺めのいい場所(buena vista)を尋ねてまわります。すると目につく「Carmen de ~」というプレート。高い塀に囲まれたお屋敷はどれも「カルメン」なんですね。「Carmen(カルメン)」というのは、アランブラに似た造りの建物でプールや立派な庭園のあるお屋敷のことなんだそうですよ。へえ、知らなかったなあ。てっきり女の人の名前かと・・・。

もとは個人の邸宅のカルメンですが、今はレストランに改装されたところもあり、ベゴーニャさんはそのレストランでグラナダらしい料理のコースを体験します。

・トレベレス産のハモンセラーノ
・サルモレッホをモダンにしたスープ
・たらを使った料理
・牛ほほ肉の煮込み
・デザート盛り合わせ

デザートの盛り合わせの中には、グラナダ名物のピオノノ(Pionono)というケーキも入っていました。ピオノノ。可愛い響きですね。小さなロールケーキを切り口を上にして立て、上にクリームをのせた一口ケーキのようなものです。食べてみたいなあ。(←こればっかり)

7/24放送(トレド&アンダルシアレポートより)(2009.07.29)

第15回

ヤマウズラ料理

トレドはヤマウズラ料理が名物。市場には、ヤマウズラの絵が描かれたパッケージのエスカベッチェやパテが並んでいました。

カルロスさんが出向いたのは、レストラン。赤ヤマウズラを使った料理を見せてもらいます。赤ヤマウズラはくちばしと足が赤くて他の部分が褐色の野生のもの。すでに柔らかく煮込まれた肉(蒸し煮かな?)をソテーして、ソースをかけて出来上がりです。

で、実際に食べる段になって、今回のらく旅フレーズが出ました。

「Tengo mucha hambre.」
(テンゴ ムーチャ アンブレ)

「とてもお腹がすいています」

自分の状態を伝えるのに「Tengo ~」が使えるという例。

野生のヤマウズラは脂肪分が少なくヘルシー。食べながらカルロスさんが「2種類のワインがきいてますね」と言い、「アイレンの白とシラス(シラー?)の赤をいつもこの色を出すために加えています」とシェフが答えてましたので、ソースにでも入っていたのかもしれません。

スタジオでは、昔ながらのヤマウズラをまるごと赤ワインで煮込んだ「Perdiz a la toledana(ペルディス・ア・ラ・トレダーナ)」が有名だと話していました。

7/17放送(トレドレポートより)(2009.07.17)

第14回

トレドの市場で

トレドの市場では、まずチーズ売り場が出てきました。一口にケソ・マンチェゴと言っても、いろんなタイプがあるんですね。味が強いものやマイルドなもの、半成熟タイプなど。レポーターのカルロスさんが試食のとき口にしたフレーズがこれです。

 「Voy a probarlo.」
 (ボイ ア プロバッロ)

 「それを食べてみるつもりです」

「Voy a ~」は予定を相手に伝えるときに便利。なので、チーズ屋さんでは「Voy a comprar un queso.」(チーズを買うつもりです)と伝えれば、いろいろオススメしてくれるというわけなんですね。

「Voy a bajar aqui」(ここで降ります)も便利です。バスやタクシーに乗ってて、降りたい場所で叫べばOK。

ボイ ア バハール アキ!

ほかには、八百屋さんでトマトとピーマン、魚屋さんではにじますや鮭、専門店でサフランやオリーブオイルなども出てきました。

パエナ(Baena)のコルティホで

一方、ベゴーニャさんは、コルドバ県バエナのコルティホ(農場のお屋敷)で、オリーブ栽培からオイルができるまでを見学します。昔ながらの素晴らしいお部屋を見て、ベゴーニャさんが言います。

「Nunca lo habia visto.」
(ヌンカ ロ アビア ビスト)

「こんなの見たことない!」

ちなみに、初めて食べて感動したら「Nunca lo habia comido.」

オリーブ園では、実を採集するところを見学。初めて見ましたが、すごいです。「ビブラドール」という、トラクターに巨大なペンチが付いたような機械で幹をはさみ、ぶるぶると揺すって実を落とすのです。木の下にはシートを敷いておき、それを折りたたんで実を集めるというわけです。

シートの中には、熟した黒っぽいオリーブと一緒に緑色のオリーブも混ざっています。ピクード種は完熟前のほうが品質のよいオイルが絞れるので、緑色でもいいんですね。

この地はローマ時代、イポヌバ(Iponuba)と呼ばれ、ここでとれるオリーブオイルは、当時から「善きオイル」「イポヌバオイル」と言われていたほど。質のいいオイルが採れるのは、石灰質の土壌のおかげだそうです。

次にオリーブオイル工場見学。採取したばかりのオヒブランカとピクード種を絞ります。2つの品種を混ぜ合わせた濾過前の絞り汁は、とてもフルーティでマイルドでバランスのとれた味だとか。ベゴーニャさんも味見するなり「リキシモ!」と驚嘆の声を上げていました。この時点ではオイルというより、果汁なんでしょう。一度味わってみたいものです。

7/10放送(トレド&アンダルシアレポートより)(2009.07.10)

第13回

闘牛場の前のレストランで

今回はロンダからレポートです。闘牛場の前のレストランがちょっとだけ出てきました。人気料理は、闘牛の尻尾を煮込んだ「オックステールの煮込み(Rabo de Toro)」。とろとろに煮込まれた肉の上に、細長いフライドポテトがのっていて、おいしそうでしたね。

らく旅フレーズは

「Ensename la plaza de toros」
(エンセニャメ ラ プラサ デ トロス)

「闘牛場を案内してください」

「Ensename ~」のあとに、案内してほしい場所を入れればOK。

7/3放送(アンダルシアレポートより)(2009.07.03)

第12回

オルティギージャス(ortiguillas)を食べる!

今回もカディスのサンルーカル・デ・バラメーダからのレポートです。ベゴーニャさんは一般消費者向けの魚市場へ。ここでは対面販売で、日本のお魚屋さんもそうですが、作る料理に合わせて、魚をさばいてくれるんですね。そんな店頭には、おなじみのエビやひらめに混じって、珍しい魚介類も並んでいました。

「Marrajo」(マラッホ)と書かれた魚は、サメの一種とか。どんなふうに料理して食べるといいのでしょう。

ここで「らく旅フレーズ」です。

「Come se prepara?」
(コモ・セ・プレパラ?)

「どのように調理しますか?」

すると、鉄板焼き、フライ、エンパナーダ、漁師風、トマト煮込みなど、いろいろな調理法を教えてくれました。場合によってはもっと具体的に、作り方まで教えてくれるかもしれませんね。この一言で買い物が楽しくなること間違いなしです。

次は近所のバルへ。カウンターショーケースには、タパスや食材がずらっと並んでいます。よく見かけるえびやいわし、シャコにまじって、イソギンチャク(オルティギージャス)なんてのもありました。イソギンチャクって食べられるんですね。スペインではカディス周辺に限って食されているらしいです。(日本でも有明海沿岸では食用として流通してるとか)

バットに入ったイソギンチャクは緑色の触手がびろ~んと伸びてちょっとグロテスクな物体です。ここで「コモ セ プレパラ?」 すると、フライやスクランブルエッグがいいとの返事。で、フライをオーダーです。

フライといっても見た目天ぷらみたいで、イソギンチャクにまぶす小麦粉が細かなサラサラのパン粉状のためか、うっすら衣がついてる感じです。外はカリカリ、中はとろっとやわらか。ベゴーニャさんによると「磯の香りで、海苔に似てる」そう。ってことは、日本人にもなじみやすい味なのかもしれませんね。う~ん、わたしも食べてみたい!

6/26放送(アンダルシアレポートより)(2009.06.27)

第11回

ヘレス(シェリー)

今回はヘレス・デ・ラ・フロンテーラ(Jerez de la frontera)から、シェリー(jerez)のレポートです。

まず、シェリー専門の居酒屋タバンコ(tabanco)に入ります。ベゴーニャさんがお店の方に、地元の方は普通何を飲むのか尋ねると、「シェリーをコルティートで飲む」と。コルティートって何でしょう。

そこで「らく旅フレーズ」

「Que quiere decir con cortito?」
(ケ キエレ デシル コン コルティート?」

「コルティートはどういう意味ですか?」

 コルティートというのは、量のことで、コップにシェリーを指3本分入れるということなんですね。ウイスキーのシングルが指1本分、ダブルが2本分だから、3本分のシェリーはトリプルか?

辛口と甘口があって、ベゴーニャさんは甘口のモレニータを飲んでいました。やや褐色のシェリー。

次に、サンルーカル・デ・バラメーダ(Sanlucar de Barrameda)へ。シェリーの一種「マンサニージャ」の醸造所を訪ねます。サンルーカルで作られるものは、シェリーではなく、マンサニージャと呼ばれてるんですね。

作り方はシェリーのフィノと同じ。4段に重ねられた樽は下に行くほど熟成が進んだものです。上の樽から下の樽に移しながらブレンドしていきます。樽の中の酵母の膜は、まるで降り積もった雪のようでした。

ここでは、マンサニージャ独特の風味を与えてくれる「ポニエンテ」という意味を尋ねます。ポニエンテは大西洋から吹いてくる潮風のこと。その気候のせいかどうか、マンサニージャはほんのり潮風の味がしますよね。すっきりと飲みやすく魚介類のタパスにぴったりです。

ベゴーニャさんは海辺のレストランで車エビ(Langostino)の塩ゆでをつまみながら、マンサニージャを飲んでました。ああ、おいしそー。このところ美味しいレポート続きで嬉しいなあ。来週はシーフードのようですよ。

6/19放送(アンダルシアレポートより)(2009.06.19)

第10回

きのこ狩り

ベゴーニャさんのレポート。今回はきのこ狩り。
ガイドブックなどにも載っていないような小さな町を訪れたとき、その土地ならではのものを知りたいですよね。そんなときの「らく旅フレーズ」

 「Que hay de especial en este pueble?」
(ケ アイ デ エスペシアル エン エステ プエブロ?」

「この村のおすすめは何かしら?」

アンダルシア・ウエルバ県の小さな村アラセナでこのフレーズを使いました。生ハム博物館、洞窟、城と挙げて貰った結果、きのこ狩りに行くことに。スペインではどの地域でもよくきのこ狩りをするのだとか。かごを持って集まってみんなで行くんですね。ニスカロ(Niscalo)というきのこが人気だそうです。

きのこ狩りのあとは、さっそく焼いてオリーブオイルと塩でいただきます。そのときの飲み物は、革の水筒ボタ(bota)に入ったワイン。細い注ぎ口から直接、口の中に注いで飲みます。慣れないとこぼしてしまいそう。ポロンなどで日頃から練習しておかないとね。

6/12放送(アンダルシアレポートより)(2009.06.12)

第9回

イベリコ豚

ベゴーニャさんのレポート、今回はイベリコ豚です。

道を尋ねながら、イベリコ豚を放牧している牧場に行くのですが、そのとき出たのが「らく旅フレーズ」。

「Estoy buscarndo una finca」
(エストイ ブスカンド ウナ フィンカ)

「牧場を探しています」

「Estoy Buscarndo ~」のあとに、探しているものを言うだけです。

無事、牧場を見学した後は、アラセナの町のレストラン「MESON ARRIERO」でイベリコ豚のフルコース料理を堪能します。

前菜1皿めは「Pate de higado de cardo con mermelada de naranja amarga(レバーのパテ)」。四角くかたどったパテに、オレンジジャムが添えられたもの。ベゴーニャさんはパンにパテを塗り、ジャムを載せて食べてました。マイルドな味だとか。

前菜2皿めは「Revuelto de morcilla(モルシージャのスクランブルエッグ)」。モルシージャを崩して具にした炒り卵。セルクルで抜いたように丸く盛りつけられています。

メインは「Pluma Iberica con chantarelas y membrillo(イベリコ豚のプルマ)」。プルマと呼ばれる極上肉のステーキの上にきのこがのっていて、大きなメンブリージョが添えられています。全体には小さな薄紫色の花が散りばめられていてモダンな雰囲気。塩はピラミッド型の結晶塩。伝統的なものとモダンなものが組み合わさった、ファンタスティコな味だって。食べてみたいですねえ。

食事のあとは、カサ・ルラル(郊外にあるプチホテル)に宿泊です。

道行く人に「Estoy buscarndo una casa rural?」と尋ねてました。

6/5放送(アンダルシアレポートより)(2009.06.05)

第8回

スペインのお菓子

ベゴーニャさんのレポート、今回はお菓子づくしです。

まずは、町のお菓子屋さんを覗きます。店頭にあったのは、次のようなお菓子です。

・Huesos de Santo(聖人の骨)
クリームをマサパンの生地でくるんだお菓子。グリコのスナック菓子「コロン」みたいな円筒形。

・Panellets(パネジェッツ)
マサパンにじゃがいもを加えて丸め、松の実をまぶしたお菓子。
(写真は以前わたしが作ったもの。本物は松の実がもっと埋まってましたね。)

次に向かったのはサン・レアンドロ修道院。ここは卵の黄身と砂糖だけで作られた濃厚なお菓子「イェマ(yema)」が有名です。シスターとは顔を合わせず、回転台ごしに購入します。料金を置くと、台がまわってお菓子が出てくる仕組み。もちろん手動です。

ベゴーニャさんは、「Yemas de San Leandro(サン・レアンドロのイェマ)」を1/2キロ(9.5ユーロ)購入。ここで今回の「らく旅フレーズ」が出てきました。

「Podria ver como hacen las yemas?」
(ポドリア・ベル・コモ・アセ・ラス・イェマス?)

「イェマをどんな風に作るのか見せていただけませんか?」

「Podria + 動詞」で丁寧な尋ね方になるんですね。

・「Podria entrar?(ポドリア・エントラル?)」
 (入ってもよろしいですか?)

・「Podria probar?(ポドリア・プロバル?)」
  (味見してもよろしいですか?)

あいにく修道院では断られてしまいましたが、街中の現代風のケーキ屋さんで、オレンジを使ったムースづくりを見ることができました。

ほかにも、アンダルシアを代表するお菓子で、口に含むとほろっととける食感の焼き菓子「Polvoron(ポルボロン)」、天使の髪の毛というかぼちゃのジャム入りのタルト「Canastilla(カナスティーリャ)」、セビーリャ伝統のアニス風味のパイ「Torta de aceite(トルタ・デ・アセイテ)」が出てきました。

「イェマ」を作るところ、見てみたかったですね。残念。

5/29放送(アンダルシアレポートより)(2009.5.30)

第7回

東洋のおつまみ

トレドの青空市。ナッツやドライフルーツにまじって、なんと日本のあられ(柿ピーや豆あられなどのミックス)も売られていました。「東洋のおつまみ」と呼ばれていて、5ユーロ分はだいたい大きなビニール袋(30cm位の大きさ)に半分くらい。高くもなく安くもなく、妥当な値段かな。

今回の「らく旅フレーズ」は「Cuanto vale?」(クァント バレ?)
「いくらですか?」でした。市場では必須の表現ですね。

5/22放送(トレドレポートより)(2009.05.25)

第4回

セラニート(セビージャの名物サンドイッチ)

セビージャのバルで、ベゴーニャさんが注文したのは「セラニート」。どんなものかと思ったら、豚肉のソテーとハモンセラーノと揚げピーマンをはさんだハンバーガーのようなものでした。

皿の上には、てんこ盛りのフライドポテトと共に、トマトと豚肉のソテーをはさんだパンがあり、その上に生ハムが乗せられて、素揚げしたピーマンがそばにちょこん。生ハムとピーマンは自分でパンにはさまないといけないんですね。ピーマンは軸をとって。

セラニートの大きさはハーフバゲットぐらい。でかい。かぶりつくの一苦労です。ベゴーニャさんも「わたしの昼食と夕食分ぐらいある」と言っていました。

バルは1軒1杯が基本。地元の人で賑わっているお店がいいってことで、2軒めに行きます。そこではお客さんにおすすめ料理を聞いて、いわしの酢漬けを注文。ピコスという固いパンと一緒に食べてました。

3軒めでは、豚ロースト肉入り生ハムサンド。今度はロールパンぐらいの大きさで具も小さく、食べやすそうでしたね。

今回の「らく旅フレーズ」は
「Que suerte ser sevillano!」
(ケ スエルテ セル セビジャーノ)

「セビリア人でラッキーね」つまり「うらやましい」という意味。セビジャーノの部分をその土地の人(バルセロナならバルセローネス)に替えて言うと、地元の人に喜ばれますね。

バルに入っておいしいものを口にしたら、「ブエニシモ」「ファンタスティコ」と褒め称え、そしてこの一言。効きそうです。

4/24放送(アンダルシアレポートより)(2009.04.28)

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