おすすめスペイン料理関係の本
スペインで食べた味が忘れられず、自分で作ってみようと、スペイン料理の本を見ながらレシピにそって作ってみると…バルで食べたあの味に!
嬉しくなって、いろんな本を参考に、ああでもない、こうでもないと作っていくうちにすっかりスペイン料理にはまってしまいました。
ここでは、わたしをスペイン料理好きにさせてくれた本を中心に、おすすめのスペイン料理関連書籍をご紹介しています。
※アフィリエイト広告を利用しています。
【新刊】修道院の煮込み
2023年10月、主婦と生活社からスペイン家庭料理研究家 丸山久美さんの「修道院の煮込み〜スペインバスクと北の地方から〜」が出ました。
スペイン北部の修道院で作られている煮込みをメインにしたレシピ本です。
▲修道院の煮込み スペインバスクと北の地方から(丸山久美著)
煮込み料理は、肉(19品)、魚(9品)、野菜(6品)をピックアップし、副菜やデザートを加えた献立案(レシピ付き)も掲載されています。肉は焼き付けてから、野菜はしっかり炒めてから、煮込むのがコツのよう。
修道院の一日の過ごし方や、 修道院の台所や食堂、器についてのレポートもあって、現地写真、料理写真もたっぷり。 全カラーページ。主婦と生活社。
作ってみようスペイン料理レシピ本
スペイン料理を作りたくなったら参考にしたいレシピ本です。初心者からマニア、プロ向けまで様々。
スペイン家庭料理(10冊)、バスク地方の料理(4冊)、カタルーニャ地方の料理(1冊)、おつまみ・タパスなどのバル料理(6冊)、ピンチョス(2冊)、スペイン修道院発のレシピ(2冊)、本場スペインのレシピ本(1冊)、レストランのレシピ本(4冊)の順にピックアップしています。
スペイン家庭料理のレシピ
▲毎日つくるスペインごはん オリーブオイルと、卵と、じゃがいもと……(渡辺万里著)現代書館
スペイン料理への愛にあふれた料理本です。著者が日常的に作っている代表的なスペイン家庭料理のレシピが、思い出や解説と共に紹介されています。1つの料理から見えてくるスペインの歴史や文化。まるで料理教室でお話を伺っているような満足感に包まれます。
第一の皿(前菜)の料理(10品)、第二の皿(メイン)の料理(9品)、デザート(9品)という定食的献立に則った構成。夏のパーティー料理(4品)、クリスマス料理(4品)、豆知識的なコラムもあります。初版2019年6月4日。
▲新装版 家庭で作れるスペイン料理 パエリャ、タパスから地方料理まで(丸山 久美著)河出書房新社
「週末はパエリャ名人」「豆とスープが待つ食卓」「スペインから届いたほっとやさしいレシピ」など、多くのレシピを紹介してきた著者のスペイン家庭料理のレシピ集です。
代表的な家庭料理(15品)、バルのタパス料理(21品)、各地方の家庭料理(22品)、伝統菓子(5品)に分かれ、お馴染みのスペイン料理ばかり。スペインの食文化に触れられるエッセイやコラムもあります。全カラー。2017年11月発行。
2011年5月に出版された「家庭で作れるスペイン料理---パエリャ、タパスから地方料理まで」の増補新版です。お菓子のコラムが追加され、スペインの食材の活用法が1Pから3Pに増えています。
▲ 心も体も温まる スペインのスープと煮込みレシピ(丸山久美 著)ソフトバンククリエイティブ
タイトル通りスペインのスープと煮込み料理ばかりを集めたレシピ集。肉・魚・豆・野菜などの煮込みはもちろん、お米料理からデザートまであります。
日本風にごぼうやレンコンを使った煮込みもあり、身近な食材で作れるよう工夫されています。スープ10品(+基本のスープストック4品)、煮込み42品、サイドメニュー5品、デザート5品、飲み物2品。
本格的なスペインの家庭料理でありながら、どこか京のおばんざいにも似た親しみやすさ。煮物の温かみがそう感じさせるのかもしれません。全カラー。初版2012年11月。
▲ スペインの家庭料理 いちばんおいしい87(小野塚千穂 著)日東書院本社
身近な食材とオリーブオイルで作る全87品のスペイン家庭料理レシピ集です。
代表的なスペイン料理(パエリャ、トルティージャ、ガスパチョ)の作り方は写真手順付きで丁寧。応用レシピも付いています。他にも簡単に作れるスペインらしい料理がチョイスされ、この一冊でひととおりのスペイン料理が作れるようになっています。
オリーブオイルやスペインの食器・食材のコラムも付随。スペイン料理を作ってみたいと思ったときに最適な入門書です。全カラー。初版2010年12月。
▶ スペインから届いた、ほっとやさしいレシピ(丸山久美 著)文化出版局
スペイン家庭料理のレシピ本です。著者の前作「週末はパエリャ名人」「豆とスープが待つ食卓」は1冊ごとにテーマがありましたが、こちらはそれ以外のスペイン家庭料理の特徴を取り上げ、紹介するという形をとっています。
たとえば、スペイン各地の魚料理、シェリー酒をつかった料理、卵の使い方とその料理、すり鉢を使った料理、赤ピーマンの料理、やさしいデザートといった具合。
いずれも気負わず作れるものばかりで、スペインの濃さを感じさせないマイルドな仕上がり。眺めているだけで、ほっと心がなごみます。初版2008年。
▶ 豆とスープが待つ食卓―簡単だけど豊かなスペインの台所仕事〔丸山久美 著)文化出版局
スペインでおなじみの豆料理とスープのレシピ本です。
豆料理が30種類、スープ24種類。豆料理は下ごしらえなど基本的なことから、煮込みやサラダ、デザートまであって、その活用の広さに驚かされます。豆料理もスープも、一手間かけることで、応用の幅がぐんと広がります。ふだんの食事に組み込んで定番メニューにできればしめたもの。
「週末はパエリャ名人」同様、写真が美しく、料理への愛情に満ちています。初版2005年。
1冊まるごとパエリャのレシピ本です。はじめてパエリャを作ろうという初心者向け。
お米と水の割合、スープの取り方など、順を追って、丁寧かつ簡潔に説明されています。パエリャ18種類と、サラダやデザートなどのサイドメニューのレシピが約20種。写真がきれいで、見ているだけでうっとりです。
どれか1つマスターすれば自信がつくし、何度か作ったことがある人でも、基本に立ち返ることで、さらに腕が上がりそう。パエリャ好きには嬉しい1冊です。初版2003年。
▲ フラガ神父の料理帳―スペイン家庭の味(セサール フラガ)文化出版局
ガリシア出身のフラガ神父のレシピ集です。ほとんどが見開きで1品ずつ紹介されており、料理写真とレシピ、それにまつわるエッセイ風の文章が添えられています。
著者の思い出のつまった料理が38品。調理法もさることながら、器、盛りつけまでもが素朴でアットホームな雰囲気を醸し出しています。それを後押しするかのような、友人であるC.W.ニコルさんの紹介文、池田宗弘さんの版画も素敵です。2001年初版。
▲ 元気なごちそう、にんにく料理(おおつきちひろ 著)文化出版局
スペインでは、にんにくをみじん切り、薄切り、まるごと、すりつぶしと、料理によって様々に使い分けますが、そのバリエーションを実例(料理)を示しながら、懇切丁寧に解説してくれているのがこのレシピ本です。
韓国風やサンフランシスコ風もありますが、レシピ70品のうち50品近くはスペイン料理です。この基本を習得すれば、スペイン料理も一気に上達しそう。もっと早く手にとっていれば…と悔やまれるほど、よくできた手引き書です。初版1999年。
▶ スペイン 熱い食卓 本場仕込みのやさしい家庭料理(おおつきちひろ 著)文化出版局
スペイン家庭料理のレシピ集。タパスから、パエリャ、デザートまで各地の代表的な伝統料理83品が、カラー写真と解説つきで載っています。
食材の知識、調理のコツも得られ、料理をつくりながら各地を旅している気分にさせてくれます。この1冊でスペイン家庭料理のなんたるかがわかります。著者の体験に根ざしたあたたかで優しい語り口にも引き込まれます。初版1995年。
バスク地方のレシピ
バスク好きの著者が東京・用賀のレストラン「ランブロア」の協力を得てまとめたレシピ本。A5変型判の小さめお手軽サイズです。レシピの料理が写真ではなくかわいいイラストなのもユニーク。レシピはバルメニューを中心に約50品。バスクチーズケーキや代表的なソースのレシピもあります。初版2020年10月。
▲ バスクのおいしいバルレシピ おうちで簡単に作れる料理とデザート(藤沢セリカ 著)マイナビ出版
ハワイ・アイランド料理を得意としながらも、バスク好きという著者のレシピ本です。写真が大胆に使われていて、片ページに料理写真もう片ページがレシピという見開き構成です。レシピはバルメニューとデザートが約40品。ピンチョスのバリエーションやバスクの食べ歩きガイドも載っています。初版2020年4月。
この本にもバスクチーズケーキのレシピは載っていますが、より詳しく知りたい方には、同著者の「絶品!バスクチーズケーキ」(河出書房新社)があります。
▲ バスク料理大全 本場のレシピ100(作元 慎哉/和田 直己)誠文堂新光社
バスクの家庭料理、伝統料理の調理技術から食材、食文化までを網羅したバスク料理のレシピ本です。スペイン側のレシピ(50品)を作元シェフ、フランス側のレシピ(50品)を和田シェフが担当。それぞれ山と海の料理に分けて掲載されています。
レシピに加えバスクの基礎知識ともいうべきコラムがあり、地域ごとの食文化(行事や風習、美食倶楽部など)や食材、酒、著名レストランなどが解説されています。
この一冊でバスクの食の全貌がつかめる決定版。基本的にレストランのレシピですが、日本で作りやすいようアレンジされ、家庭でも再現可能です。全カラー。初版2016年6月。
▶ 家庭で作れるスペイン・バスク料理(丸山久美 著)河出書房新社
スペイン・バスク地方の家庭料理のレシピ本です。フランスとの国境にまたがるバスク地方の歴史や文化、食材などの解説も付いています。
魚介料理13品、肉・野菜料理14品、ピンチョスなどのおつまみ料理16品、伝統菓子5品。
基本のスープやソースの作り方、料理の背景などをまじえた構成で、手順写真も適宜挿入されています。バスク3県の食文化や食べ歩きコラムも楽しく、ちょっとしたコツやポイント、代用品の提案も有り難い。気持ちをバスクに飛ばして楽しめます。全カラー。初版2015年10月。
カタルーニャ地方のレシピ
▲ カタルーニャ地方の家庭料理〜おいしくて作りやすい、スペイン北部の伝統的な郷土食〜(丸山久美 著)誠文堂新光社
スペインの中でも、バルセロナのあるカタルーニャ地方に限った家庭料理のレシピ本。料理名もカタルーニャ語で表記され、歴史や文化、食材やお酒などの解説も付いています。
基本の調味料やソースの作り方の他、野菜・肉・魚料理が37品、米や小麦粉料理が7品、お菓子が9品。行事食や地域別の食文化コラムもあって、カタルーニャの食と家庭料理を知るにはうってつけです。しかも日本の家庭でも作りやすいものばかり。
腸詰めや干しだらなどのスペイン食材が手に入ったときにも役立ちます。全カラー。初版2014年6月。
おつまみ、タパスなどのバルレシピ
▲ ajillo! -アヒージョ! - スペイン生まれのアツアツ・タパス(ホセ・バラオナ・ビニェス 著)柴田書店
バルで人気のおつまみ「アヒージョ」だけのレシピ集です。アヒージョ(にんにくオイル煮)の基本的な作り方と各種食材を使ったアイデアレシピのオンパレード。
アヒージョにスパイスやソースを加えて味に変化を持たせたり、こんなものまで?と驚きの和食材をアヒージョにしたり、残った具材やオイルの活用法まで、その数70品以上。
アヒージョを通して、料理のバリエーションは無限大だと教えてくれる楽しいレシピ本です。全カラー。初版2015年12月。
▲ 人気店が教える 小さなバルの絶品レシピ(花本朗/福本智/高城直弥)河出書房新社
▲ 人気店が教える 小さなバルの絶品レシピ Special!(花本朗/福本智/高城直弥)河出書房新社
2012年12月に第一弾の「人気店が教える小さなバルの絶品レシピ」、その第二弾が「…絶品レシピ Special」です。日本のバル料理なので、スペイン料理をベースにしながらもこだわりがなく実用的。仕込みや作り置きで段取りよく作れるようになっています。
ちょっとしたコツや応用料理もいっぱい。バルの狭い調理スペースだからこそ生まれたアイデアは、家庭のキッチンでも真似したい。
▶ 10分で「本格タパス」 手軽に作れるスペイン風おつまみ(講談社のお料理BOOK)(丸山久美 著)講談社
家庭で簡単に作れるスペイン料理タパス(おつまみ)のレシピ本です。日本人になじみやすいようアレンジが加えられた94品。どれも10分程度で作れます。
お弁当のおかずやパーティー料理に転用でき、身近な食材でできるのも魅力。スペイン料理研究家ならではの豊富な知識とアイデアに満ちています。全カラー。初版2012年7月。
▶ tapas(タパス)(ジョセップ・バラオナ ビニェス 著)長崎出版
ピンチョスの第一人者ジョセップ(ホセ)・バラオナ・ビニェスさんのレシピ本。伝統的なカタルーニャ料理の手法を守りつつも、現代風にアレンジされた料理が約100品掲載されています。
材料、作り方に加えて、スペイン独特の調理法や名前の由来などのワンポイント解説が嬉しいです。ご自身がプロデュースしたスペイン料理店「ビキニ」で出されているメニュー(パスタパエリアのフィデワ、お米料理のアロス・カルドソなど)のレシピも載っています。
全カラー、スペイン語と併記。英訳レシピ付き。初版2008年。
▲ タパス みんなでつまむスペインの喜び(おおつきちひろ 著)文化出版局
タパスだけを集めたレシピ本です。全カラーで110品。手頃な食材で簡単にできるものばかり。残ったパンを炒めたり、揚げたり、スープに入れたり。食材を最後までおいしく食べる工夫もいっぱいつまっています。
各地のバルレポートもあって、スペインの食習慣や食文化にも触れられます。お酒にもパンにもご飯にもあうタパスの数々。日本のお総菜とも共通する素朴さに嬉しくなります。初版1997年。
ピンチョスのレシピ
▲ ピンチョス360°: all about finger food(ホセ・バラオナ・ビニェス 著)柴田書店
2004年発行の著書「ピカピカ ピンチョス」をバージョンアップさせたような内容のスタイリング&レシピ集。見た目に美しく食べやすくバリエーション豊かな著者のピンチョスワールドが、この1冊にぎゅっと詰まっています。
味の組み立て方、表現の仕方にはじまり、盛りつけ例、スタイル展開例、定番料理のアレンジ例など、ピンチョスの魅力とアイデアが美しい料理写真によって語られます。
巻末にイラスト入りの掲載レシピが200近く。スペイン料理の枠を超えたフィンガーフードの決定版です。初版2013年3月。
▶ピンチョス―楽しい、おいしい、新しいスペインのフィンガーフード
一口サイズのフィンガーフード、ピンチョスだけのレシピ本。料理がアートしています。四角い大皿に広げられたタパスは、まるで抽象絵画をみるよう。
そのタパスを、串に刺したり、パンにのせたり、くるくる巻いたり。なんでもピンチョスに変身です。どんなものでも工夫次第で、自分だけの1品になるから面白い。センスのいい遊び心にあふれています。レシピはあってないようなもん。
ホセ・バラオナさんが教えてくれる楽しいアイデアブックです。初版2003年。
スペイン修道院発のレシピ
スペインで刊行された「Atlas Ilustrado de la Cocina de Conventos y Monasterios」(2015年刊)の翻訳本。スペイン各地の59の修道院のなりたちとその修道院の郷土料理レシピ集です。スペインの歴史、修道院、料理の視点から楽しめます。
レシピはスープ13品、野菜と豆料理21品、パスタ・米料理4品、卵料理3品、魚介料理20品、肉料理22品、デザート・菓子31品。
大航海時代には南米の食材やカカオを欧州に伝え、王家の霊廟や巡礼者の宿として機能した修道院の厨房から生まれた郷土料理の数々。レシピを参考に再現も可能です。
スペインの修道院や食文化をより深く知りたい方におすすめです。全カラー。初版2016年4月。
▲修道院のお菓子―スペイン修道女のレシピ (天然生活ブックス)(丸山久美 著)地球丸
スペインの修道院から生まれたお菓子のレシピ集。中世の時代から受け継がれてきた素朴な伝統菓子の作り方が、その背景と共に紹介されています。
クレマカタラナ、ポルボロン、ブニュエロ、マサパンなどの代表的なお菓子から、にんじんジャムやチョコレートのスプレッドまで全50品。お土産でお馴染みのトゥロンやジェマスのレシピまで載っています。
材料も作り方もいたってシンプル。巻末には7つの修道院の紹介も。全カラー。初版2012年5月。
本場スペインのレシピ本(スペイン語または英語版)
▶ 1080 recetas de cocina / 1080 Cooking Recipes
スペインの料理研究家シモーネ・オルテガさんの料理本(原語)です。30年以上愛されているスペイン家庭料理レシピのバイブル的存在。厚さ6.5cmの分厚さに圧倒されます。(イタリア料理本「シルバースプーン」のようなもの)
2007年改訂版はハビエル・マリスカルが書き下ろしたイラスト200点、料理写真も100点が追加されています。日本語版はなく英語版「1080 Recipes 」のみ。
レストランのレシピ
タパス文化やモダンスパニッシュのもとになっているスペイン伝統料理のレシピ本です。スペイン各地の食文化から食材の扱い方、基本の調理法・作り方まで、ポイントとキーワードでわかりやすく紹介されています。
レシピはソパとコシード(9品)、煮込み(22品)、焼き物(12品)、揚げ物(6品)、米料理(11品)、バカラオ料理(7品)、卵・前菜料理(9品)、デザート(6品)など。
調理解説担当シェフは、小西由企夫さん、ホセ・バラオナ・ビニェスさん、本多誠一さん、前田庸光さんら。全カラー。初版2022年6月。
▲ふたつのサンパウ―TOKYO~SPAIN 奇跡の三ツ星レストランのすべて(大谷浩己 著)びあ
レストラン「サンパウ」のスペイン本店と東京店のガイド本です。
実際にレストランに出されるメニューそれぞれ約10品を、女性シェフ、カルメさんの言葉と共に紹介しています。カタルーニャの伝統料理や家庭料理をふまえた上で、決して手を抜かず、いいものは積極的に取り入れ、状況に応じて創り上げていく姿勢には、見習うべき点がいっぱい。カルメさんの生い立ちやカタルーニャの街案内もあります。
伝統料理レシピが10品、おすすめレストランが8店。そのほかワイナリーやワイン情報も。全カラー。初版2006年。
▲ エル・ブジ 至極のレシピ集―世界を席巻するスペイン料理界の至宝(世界最高のレストラン―スペイン編)(渡辺万里 著/フェラン・アドリア 監修)日本文芸社
ユニークで新しいスペイン料理として注目された「el Bulli」フェラン・アドリアのレシピ集。渡辺万里さんの文章で、レストランメニューを中心に27品が紹介されています。
オールカラー。すべて手順写真入り。フェランの料理の世界観や哲学が、1皿に投影されており、奇抜さだけではない料理の神髄に触れることができます。
レシピをそのまま再現してもいいし、素材や味付けの組み合わせをヒントに、独自にアレンジしてもいいし。創作意欲をかきたてられる1冊です。初版2000年。
▶ スペイン料理―料理・料理場・料理人(深谷 宏治 著)柴田書店
レストランバスク(函館)のオーナーシェフ、深谷宏治さんのレシピ本です。
本場スペインのバスクで習得した正統派のスペイン・バスク料理が160品。アンチョビや生ハムの作り方、肉や魚のさばき方なども載っています。レストラン用のレシピですが、家庭でも十分応用できます。
フレンチやイタリアンにひけをとらない洗練された美しい姿にほれぼれ。パエリャやトルティージャだけではないスペイン料理の奥深さを教えてくれます。初版2000年。
深く知るにはプロ向け料理ムック本
雑誌「専門料理」から出ているムックはプロ向けですが、単なる料理好きでも参考になります。スペイン料理やバル風おつまみが日本に定着していった流れがわかります。
プロ向けモダンタパス(おしゃれスペイン総菜)
2007年刊行の「モダン・タパス・コレクション」に続く第2弾。おいしいものを少しずつをテーマに、モダン・タパスの発想で、味とスタイリングのアイデアが紹介されています。
スペイン料理だけじゃなく、フレンチ、イタリアン、和食、エスニックとオールジャンルをカバー。スペイントレンドバル情報では、ブルラデーロ(セビージャ)、ドズ・パリージョス(バルセロナ)。
注目のシェフでは、オスカル・ベラスコ・マルティン/サンセローニ(マドリッド)。サンパウ東京5周年記念パーティのレポートもあります。掲載レシピは180点以上。2009年9月発行。
おいしいものを少しずつ。スペインのタパスを発端にした最近の傾向ですが、それを世界のトップシェフが、モダン・タパスへと昇華させています。
ギィ・マルタンのスナッキング、テツヤズや龍吟のフィンガーフード、エルブジや神戸北野ホテルのケータリング技術、ピエール・ガニェールのア・ラ・カルトなどは、ほんの一例。小ポーションのコース料理やパーティー用タパスのノウハウとレシピが、惜しみなく公開されています。
プロの料理人向けですが、パーティー料理のアイデア集として楽しめます。見ているだけで、アートな料理センスも磨けそう。全カラー。2007年7月発行。
プロ向けスペイン料理の動向
▶ スペインが止まらない(Part3)(別冊専門料理)柴田書店
最先端スペイン料理の勢いが、世界を巻き込んだ一大ムーブメントとなっていく様子をレポート。Part3では、料理はコンセプトの時代として、科学の視点で分析しています。
スペイン風ピザのコカ、イベリコ豚、ワイン、カタルーニャの珍味エスパルデニャス、アングラース、ソブラサーダといった食材レポートのほか、エルブジコレクション、国際料理サミット「マドリッド・フュージョン」レポート、各地のレストラン情報、スペイン修行案内と盛りだくさんです。掲載料理のレシピ付き。2006年6月発行。
▶ スペインが止まらない(Part2)(別冊専門料理)柴田書店
最先端スペイン料理に興味があるならこれ。アルタ・コシーナ(高級料理)を創作する若手シェフの紹介のほか、エルブジのレシピや、パリとバルセロナのレストラン情報までモダンスパニッシュの情報がぎっしりです。
ほかにもアンチョビ、オリーブオイル、イベリコ豚などの現地レポートもあります。巻末に掲載料理100品あまりのレシピつき。スペイン料理がなぜスタイリッシュに進化し続けるのか。その理由がわかります。2005年4月発行。
スペイン食べ歩きガイドブック
スペイン現地での食べ歩きガイドから、スペインや日本のバル案内、レストランのガイドブックまで。スペインに行く日のための予習や行った気分に浸りたいときにどうぞ。
バスク地方の食べ歩きガイド
▲美食の街を訪ねて スペイン&フランスバスク旅へ 最新版(旅のヒントBOOK)( 金栗里香)イカロス出版
バルの入り方、注文の仕方、はしご酒の仕方に始まり、バスクの定番料理や酒、食材の紹介。それらをふまえた上で、地域別の街解説とお店情報へと続きます。
スペインのサン・セバスティアンを中心に、ゲタリア、オンダリビア、ビルバオ、フランスのサン・ジャン・ド・リュズ、ビアリッツ、バイヨンヌから、飲食店や雑貨屋さんなどが約100店あまり。
バスク在住の著者ならではのきめ細かな案内が心地よく、内容も充実。ページをめくるのが楽しくなるガイドブックです。全カラー。初版2019年1月。 最新版は2024年2月。
スペイン各地の食べ歩きガイド
▲ スペインまるごと全17州おいしい旅 (私のとっておき)(秦 真紀子 著)産業編集センター
スペイン各地で飲食したレストランでの記録が、その土地の特産品やワイン情報などと共に詳細に綴られています。バルセロナを拠点に北まわりでバスクやガリシアなど8州、南まわりでバレンシア、アンダルシアなど9州の全17州を網羅。
小さいながらも料理写真が多く、スペイン語の料理名と併せてカタカナでも表記されているのでどんな料理かわかりやすい。ぎゅっと詰まった食レポ集です。
取材時の状況と感想がリアル。巻末に店舗データもあり、食べ歩き旅行の参考になります。 全カラー。初版2017年。
スペインのバル紹介とそのレシピ
2008年発行のスペインバルブックの進化形、2014年版といったところ。スペイン各地のバルと名物タパスのレシピが載っています。
ビルバオ(3店)、サン・セバスティアン(4店)、パンプローナ(1店)、ア・コルーニャ(1店)、バルセロナ(3店)、カディス(1店)、コルドバ(2店)、セビージャ(1店)、マドリッド(3店)。
地域ごとに異なるバル文化やトルティージャの作り方にも言及。スペイン国内のバルを食べ歩きしている気分に浸れます。全カラー。初版2014年4月。
スペインと日本のバルの紹介&レシピ
スペインバルに特化したスタイルブックです。スペインバルとは? タパスとは?という疑問をさらりと解いてから、スペイン各地のバルへと誘います。
生ハムやトルティージャなどバルの定番料理を解説した後は、レストランシェフによる写真付きのレシピへ。その数35品。日本の代表的なバル9軒の紹介もあり、お店のレシピも簡単に載っています。
素朴なカバーに反して、中はおいしそうな写真ばかり。飲食形態や料理だけではない、スペイン文化としてのバルも理解できるようになっています。2008年2月発行。
バスクとナバーラ地方の写真ガイドブック
▲ スペイン 美・食の旅 バスク&ナバーラ(コロナ・ブックス)(菅原千代志/山口純子 著)平凡社
スペインのバスク州とナバーラ州の案内本。写真中心の展開で、地域別にエッセイ&コラムで構成されています。
内容は、街と歴史、芸術文化、自然、スポーツ、食など。食関連では、パンプローナの美食倶楽部、食の王国サン・セバスティアンのほか、レストラン「アルサック」やバル&ピンチョスめぐりなどが目を引きます。
スペインにあって独自の文化をもつバスクとナバーラ地域の、魅力あふれる写真&読み物ガイドです。全カラー。初版2013年5月。
北スペインの写真紀行
▶歴史街道カミノ・デ・サンティアゴの旅―豊かな食と文化を訪ねて(米山智美 著)文化出版局
カミノ・デ・サンティアゴの巡礼路に沿って綴られた写真紀行です。ヘミングウェイゆかりの宿に泊まり、パンプローナやサン・セバスチャンではバルめぐり、ビルバオのグッケンハイム・ミュージアムのレストランで豪華なランチをとって、レオンではショップをのぞく。なんて素敵な町歩きでしょう。
カサ・ルラル(田舎の家)やパラドールなどの案内もあります。北スペインを旅行するなら、要チェック! たくさんの料理写真で各地の食文化を見せてくれる北スペインの魅力がつまった1冊です。初版2002年。
スペイン料理に詳しくなる読み物
スペインの歴史や文化を知れば、もっと料理が楽しくなります。ネットから簡単に情報が得られない時代のスペインはどうだったのか。現在と比較しながら読むのも一興です。
イベリコ豚の実態に迫るノンフィクション
取材のためにイベリコ豚を買うことを思いたったノンフィクションライターの体験記。商品化まで実現させてしまうから痛快です。イベリコ豚に関する疑問を解き明かしつつ、スペインの放牧場や生ハム作りの現場に足を運ぶ様子は、心躍る食紀行。
食肉流通の実態や仕事への取り組み方などは、ビジネス書として読むことができます。読後イベリコベジョータのハムがむしょうに食べたくなるから要注意。
ひょっとしてマルディグラ・ハムの壮大なるPR本だったりして? 作家ならではの考察と確かな筆致で読み応え充分。一気に読ませます。初版2014年4月。
美食の街サン・セバスチャンの魅力を解き明かす
▲ 人口18万の街がなぜ美食世界一になれたのか―(スペイン サン・セバスチャンの奇跡(祥伝社新書)(高城剛 著)祥伝社
タイトルどおり、なぜスペインのサン・セバスチャンが美食の街と言われているのか、なぜ星付きのトップレストランがその地域に集中しているのかを、バスクの歴史や食文化、民族気質、地域戦略の面から丁寧に解き明かしてくれます。料理解説から近年話題のヌエバコシーナの調理技法、その哲学も。
飲食業や観光業を含めた地域活性化のヒントがこの街には詰まっていそう。巻末には、バスクのピンチョスバル&星付きレストランの簡易ガイドが付いています。初版2012年7月。
スペイン料理の歴史を紐解く
▲ スペインの竈から―美味しく読むスペイン料理の歴史(渡辺万里 著)現代書館
スペイン各地の伝統料理の成り立ちと特徴が、歴史や風土と重ね合わせて体系的に論じられています。食材や調理法別でわかりやすく、まるで「スペイン料理とは何か」という講義でも受けているかのよう。
スペイン料理の歴史について、ここまで突き詰めて書かれた本は他にないのでは? 知的満足感が得られる良書です。「スペインの竃から―料理をめぐる15章」(1994年発行/柴田書店)の改訂版です。2010年10月発行。
スペインの食文化を知る
▲ 世界の食文化〈14〉スペイン(立石博高 著)農山漁村文化協会
世界の食文化、全20巻のうちの1巻。スペインの食文化が、細かい章立てで歴史を追って解説してあり、読み応えがあります。
イスラムとユダヤの影響や、キリスト教の戒律と豚、新大陸がもたらしたもの、王侯貴族と民衆の食事の違いなど、どれも興味深いものばかり。今まで断片的な知識でしかなかったものが、系統だてて整理でき、まるで歴史ミステリーでも読んでいるような心地にさせてくれます。
巻頭には市場やレストラン・料理などのカラー写真、巻末には、家庭で作れるレシピが17品紹介されています。スペイン料理を理解する上で、非常に役立つ一冊です。初版2007年。
料理研究家によるバスクの旅エッセイ
▶ わたしとバスク (クウネルの本)(長尾智子 著)マガジンハウス
キッチンクロスを入り口に、バカラオ、蜂蜜、赤唐辛子、焼き菓子、カゴ…とバスク産のものに引き込まれていく様が、現地取材を通してエッセイ風に綴られています。
そこから見えてくる、フランスとスペインにまたがるバスクの地域性や民族性、独自の文化。気取らない文章からは、食材や料理、その道具などを愛おしむ気持ちがそこかしこに感じられ、読んでいるうちに心がほっと温かくなります。料理研究家ならではの等身大のバスク案内です。初版2006年。
スペイン料理レストランシェフの旅エッセイ
▲ バルセロナの厨房から(グルメ文庫)(高森敏明 著)角川春樹事務所
ドスガトス(吉祥寺)のオーナーシェフ高森さんが綴ったスペイン料理に関するエッセイ集。
料理や食材を1テーマとして、歴史・文化にも触れながら、修業時代のエピソードが楽しく語られます。食べ物を通して、スペインという国を理解する一助にもなるでしょう。文中にさりげなく入っているレシピも嬉しいです。
写真はありませんが、松永安正さんのスケッチが、芸術の街バルセロナの趣を醸し出しています。初版は1990年に白水社から。2004年に改訂文庫化。
スペイン料理研究家の現地レポート&エッセイ
▶ 修道院(アルカンタラ)のウズラ料理―スペイン料理七つの謎〔渡辺万里 著)現代書館
7つのテーマにそって取材したレポート&エッセイ集。タイトルの修道院のウズラ料理はそのうちの1つで、他にアサード、エンパナーダ、ワイン、オリーブ油、バスク料理、21世紀のスペイン料理と、あくなき探求心で食べて聞いて調べてまわります。
各テーマへの理解が深まるほか、発展するスペイン料理界の明るい未来も予感させて、読み応え十分。長年にわたりスペイン食文化の研究を続ける著者の熱い思いにも心打たれます。初版2002年。
スペイン料理レストランシェフの食べ歩き
▶スペインおいしい紀行(AROUND THE WORLD LIBRARY―気球の本)(高森敏明 著)NTT出版
著者が夏のさかり、アンダルシアからカタルーニャにかけての海側を食べ歩いたときの記録です。旅先での人との交流を軸に、料理人としての視点で、そのときに食べた料理やお酒が詳細に描かれています。
バルであれレストランであれ、旨いものは旨い、まずいものはまずいとはっきりと言い、その理由もきちんと書かれています。この経験がレストラン「ドスガトス」のメニューにも生きているのでしょう。写真はモノクロ。関連レシピは24品紹介されています。1998年初版。
スペイン料理研究家のエッセイ
▶ スペインの食卓から(講談社文庫)(おおつきちひろ 著)講談社
1991年発行の「わたしのスペイン食探検」を改題し文庫化したものです。子連れのスペイン旅行から始まって、食べ歩き、料理修行、留学と、スペイン家庭料理研究家になるまでのことが綴られています。
肩肘はらず自然体で、ひとつずつ地道につかんでいく姿に好感が持てます。著者の体験にそって、スペイン料理とは何か?を少しずつ解説してくれるのも嬉しい。あとがきに、とっておきレシピが5品載っています。初版1997年。
カスティーリャ地方の修道院お菓子紀行
▶ スペインかすていら巡礼―カスティーリャ地方の修道院に、カステラのルーツを探して(渡辺万里 著)松翁軒
カステラのルーツを探して、カスティーリャ地方の修道院をまわる食紀行。言い換えれば、修道院の焼き菓子探訪でもあります。
図書館での下調べに始まり、取材依頼、そして各地の修道院を訪ねてまわる過程は、著者と共に一喜一憂しながら、興味深く読み進めます。
カステラの原型はどんなものなのか。日本のカステラ持参でのぞむ訪問はどれも臨場感あふれています。要所要所に写真も数点。巻末にビスコッチョなどのお菓子レシピ(7種)も付いています。初版1992年。
スペインのワインを知る本
スペインのワイン、カバ、シェリーの知識を得れば、料理とのペアリングが楽しくなります。実際に飲みながら味の違いを探るのも面白そう。
スパークリングワインCAVAのガイド
▶ カバの本〜美味しい、お手頃、種類が豊富なスペインのスパークリングワイン〜主婦と生活社
シャンパンと同じ製法で作られるスペインのスパークリングワイン「カバ(CAVA)」のガイドブックです。
日本で購入できるカバ217本の(2010年11月現在)カタログがメインで、データには生産者、産地、味わいの特徴、ぶどう品種の割合、成熟期間、合う料理などと商品写真が載っています。
コラムとしてカバのタイプ、葡萄品種、製造工程などが挟み込まれ、スパークリングワインの歴史や概要にも触れられています。カバ選びの参考に1冊あると便利そう。全カラー。初版2010年12月。
スペインワインのガイド
▲ スペイン・ワイン (大滝恭子/永峰好美/山本博 著)早川書房
ブドウ栽培面積が世界第1位、ワインの生産量が第3位のスペイン。そのスペインワインを知るに最適なガイドブックです。
はじめにスペインの気候や地勢、生産状況、葡萄品種、スペインワインの歴史。続いてワイン産地とDOワインが詳しく解説されているので、通しで読むこともできるし、気になるワインの項目のみチェックすることもできます。
生産者リストやワイン用語集、原産地呼称マップなど資料も充実。ワイン愛好家はぜひ。初版2015年。
シェリー(ヘレス)のガイド
▲ Sherry - Unfolding the Mystery of Wine Culture(中瀬航也 著)志學社
スペイン固有の白ワイン、シェリー(へレス)に絞って知りたいと思ったらこれ。シェリーの醸造方法や辛口から甘口までのタイプはもちろん、歴史的背景をもとに、あらゆる視点から25話にわたって奥深いシェリーの世界へ導いてくれます。
関連コラムやシェリーのラベル解説も興味深く、他のアルコールとの比較もわかりやすい。読後はシェリーを飲みたくなること必至。シェリーの蘊蓄が詰まっています。初版2017年。
前作「シェリー酒―知られざるスペイン・ワイン(PHPエル新書)PHP研究所」からさらにパワーアップしています。