2009年5月初旬、佐賀県唐津に行ってきました。旅館洋々閣に泊まり、器を眺め、美食を堪能。
【2】洋々閣の部屋と庭とうつわ
■グルメ旅 概要
時期:2009年5月中旬
人数:2名
内容:洋々閣(朝・夕食つき)宿泊プラン
ルート概要:虹の松原散策~洋々閣(泊)~唐津市内観光
大正時代に建てられたという旅館は、年代を感じさせるものの、隅々まで手入れが行き届き、清潔で落ち着いた風情を醸し出しています。受付での記帳後、部屋へ案内していただきます。
開け放たれた廊下を通り抜ける風が心地いい。
いたる所にお花が活けてあります。
ロビーの籐製のいすが素敵!
奥へ奥へと進み、2階の対州の間に案内されました。
部屋に入ると、低い上がり框があって座敷の前はフローリング。正面の木の扉はバス・トイレ。設備は近代的で清潔感溢れています。部屋にもあの籐の椅子がありました。
部屋で一服した後は、館内のうつわでも眺めに行きましょう。さりげなく花が活けられている館内の器も素敵です。
常設で展示はされているのですが、訪れた時はちょうど中里隆うつわ展開催中(2009年4月3日~5月末日)でした。
まず、アメリカ・アンダーソンランチ窯の作品から。会場につり下げられたランプシェードも中里作品です。
花器には花が生けられ、器は手にとって見られます。いいなあと思う作品には売約済みのマーク。どこかのお宅に行ってしまう前に、鑑賞できてよかった。
デンマーク・スケルツコー窯の作品、隆太窯・種子島の作品をじっくり見て、目の保養をした後は、中里太亀さん、花子さんの器も見なくちゃね。
中里隆うつわ展開催中のため、こちらはやや狭苦しい陳列でしたが、花子さんの白い器はモダンな上品さがあって、日常使いにまとめ買いしたいほどでした。
続いて、お庭に出てみましょう。手入れは行き届いていますが、作りこまれた大げさな庭ではなく、旧来の造りを継承した自然な佇まいで、まるで知り合いのお宅の庭におじゃましたような錯覚に陥ります。
とはいえ、食堂のある部屋のガラス戸は、庭の松が映り込んで、まるで屏風絵を見るような美しさです。
庭にある休憩所は、年季の入った窓枠や壁のしみまでが古きよき時代を彷彿とさせ、隙間から顔をのぞかせてる蔦や草までが、まるでわざわざあしらったかのように趣があります。
可憐な花や名も知らぬ果実に、心をなごませているうち、日が西に傾いてきました。お風呂をいただいて、お食事にしましょう。
お風呂は部屋にも付いていますが、やはり広い浴場のほうがゆったりできていいですね。建物は古くても、設備は現代風です。
こちらは温泉ではありませんが、タンクに麦飯石が入っていて、温泉のような効果があるのだそうです。確かに、お湯の肌あたりがやわらかく、からだがじんわり温まります。
お風呂から出ると「冷水をどうぞ」と、冷たいお水が用意されていました。こんなちょっとした心遣いが嬉しいですね。
さあ、部屋に戻って夕食です。
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1937年、人間国宝中里無庵(12代中里太郎右衛門)の五男として生まれ、1961年に第十回現代日本陶芸展にて、陶彫「双魚」第一席受賞。世界各国をめぐる旅をした後、1971年に種子島に築窯。1974年には、唐津にもどり、隆太窯を築窯。日常で使うための器、料理が生きる器にこだわり、アメリカやデンマークなど世界各地で作陶活動を行いながら、唐津焼の伝統技法だけでなく、新しい作風にも挑みつづけています。
長男中里太亀さん、次女中里花子さんも陶芸家として活躍中です。
【隆太窯】佐賀県唐津市見借4333-1
※当レポートは、2009年5月滞在時の情報をもとにしています。ご利用の際は最新の情報をご確認ください。
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