現在、銀座・交詢ビルにある「ZURRIOLA」。もとは麻布十番にありました。2011年4月オープンされたとき、そのうち誰かを誘って…と思っていたところ、クラブツーリズムの美食探訪で「スリオラ」のお食事会プランを発見。2012年になって参加してみました。
通常のランチとは少し内容が違うようですが、味や雰囲気は十分堪能できましたので、ご紹介しますね。
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麻布十番にあった頃のお店の入り口。入ってすぐのところに、店名にもなっているスペイン・サンセバスチャンの「スリオラ海岸」の風景画がありました。他にも店内には何点か素敵な絵(アルベルト・ラフォルス・カサマダの銅板画)が飾られていて、明るくすっきりとした印象です。なかでも目をひいたのは、ゴールドの球を集めたシャンデリア。きれいだー。
席につくと、しおりやらメニューやら。飲み物が1杯チョイスできるので、CAVAをお願いしました。参加者の方たちとお話ししているうちにスタートです。
まず、パンにつけるオリーブオイルと塩が置かれていきます。
パンはフォカッチャタイプ。きめ細かな生地でしっとりしています。そのままでもオリーブオイルの風味がきいておいしいのですが、オイルに岩塩を少し溶かしてパンにつけると、しっかりとした味わいになりました。パンはおかわり自由です。
▲ アミューズ「ハーブとアーモンドのブニュエロ」
パセリとウイキョウをあしらったおしゃれなブニュエロです。ひとくちでいただきます。
食感はさくっ、ふわっ、とろっ。アーモンドクリームがとろけます。おいし~~。これはお菓子っぽい作りだけれど、味はしっかりおつまみの揚げシュークリームです。CAVAや白ワインとぴったり。あと2~3個食べたいほどです。
▲ 前菜「フォアグラのミキュイ、プラリネ、ヨーグルト」
なんてステキな盛りつけでしょう。皿上の空間の使い方が素晴らしいですね。2つのピスタチオが効いています。このバランスを崩すのがもったいないくらい。通常はディナーに登場する1品のようですが、ランチでお目にかかれました。
チョコレートケーキに見えるのはフォアグラのテリーヌのよう。ココアパウダーがかかっていて岩塩がぱらり。傍らのソースはヨーグルトです。
ナイフを入れると、中からソースがとろーり。この流れ出るソースも計算しての、配置だったのかもしれません。
ヘーゼルナッツとチョコレートの香ばしくも甘いソースで、好みが分かれるところですが、私は好き。濃厚なテリーヌとの絶妙な組み合わせに唸りました。料理というより味わう芸術作品といってもいいくらい。凝ってるな~。
なんでも、本多シェフがサンパウ東京店在籍中に考案した思い出の1品だとか。今はスリオラの看板メニューでしょうか。
▲ 魚料理「メカジキのペロータ トマトの香る熱々のカルドで」
メカジキのだんごの下に敷いてあるのは、細かく刻んだにんじんと大根、それにほうれん草(だったかな?)。温かなスープが注がれると、散らせた菊の花びらふんわりと浮かびます。
器にも、花びら。
スープはトマトの酸味がきいたさっぱり味。レモンのようなさわやかな風味も感じられました。
▲ 肉料理「秋田県岩波農場の豚肩ロースのアサード」
豚の肩ロースを焼いたもの。付け合わせは、ナスと下仁田ネギ。
豚肩ロースはしっかりした肉質でありながら柔らかくジューシー。ほどよく脂身が付いていて、ボリュームがあるのにしつこさはありません。下に敷かれたソースのせいでしょうか。さらりとしていてまるでお醤油のようなさっぱり感です。
聞けば、豚の出汁にカシスとキルシュが加えられたソースとか。岩塩とペッパーがいい味のアクセント。付け合わせのお野菜も、素材の風味を生かした繊細な味わいでした。
▲ 米料理「野菜のアロス・カルドソ」
野菜のスペイン風お雑炊。紫にんじん、サヤインゲン、大根などが入っていて、だしとパセリがきいています。
火の通し加減が野菜もお米も理想的。野菜はやや歯ごたえを残し、お米は粒にさらりとした存在感を持たせ、柔らかすぎず硬すぎず。おうちでもこんなふうに作れたらいいなあ。お手本にしたい仕上げ方でした。
▲ デザート「トゥロン」
本来のトゥロンは、アーモンドを蜂蜜・砂糖や卵白などで固めた板状のお菓子ですが、そのトゥロンをイメージして作られたのがこのデザートです。もう、びっくり。素晴らしい!
下に描かれた波のような曲線はチョコレート、その上にキャラメルを絡めたアーモンドとメレンゲの丸い焼き菓子、傍らにアイスクリーム。トゥロンの世界が見事なまでに再構成されています。
アイスクリームをメレンゲやアーモンドとともに口に含めば、冷たく甘いトゥロンアイス? と思いきや、想像以上に複雑で魅惑的なこっくりとしたおいしさが口いっぱいに広がりました。かすかにシナモンや塩気も感じられ、食感も面白く、これはもう新感覚デザートですね。この創造性に脱帽です。
小菓子は、ボンボンショコラ。「こぼれやすいのでひとくちで…」と言われ、そっとつまんで口に含むと、すぐにほろっと崩れて、中からライムのクリームが出てきました。とろっとろ。
最後はミントとカモミールのハーブティにしました。
どれも優しく洗練された味わいでおいしかったな~。人によっては少なめに感じるかもしれませんが、わたしにはちょうどいいボリュームで楽しめました。一皿一皿が丁寧に作られており、手抜きがないんですよね。
高級スペイン料理でありながら、かすかにフレンチや和食のワザが加わったような、オリジナリティのあるモダン・スパニッシュ。
こんなスペイン料理レストランがもっと増えるといいなあ。今度は親しい人と一緒にゆっくり伺えたらと思います。
一休レストランの予約サイトにも、ランチ、ディナーともに独自のプランがそろっています。
■スリオラのおすすめシーン
カップル、友人同士・家族連れのあらゆるシーンで。オープンキッチンのカウンター席が10席、ダイニングは12席。個室は2〜4人まで可能です。
【PR】レストラン予約・口コミ
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2011年4月、東京・麻布十番にオープンしたスペイン料理レストラン。シェフはフランス・スペインで経験を積んだ後、「龍吟」「サンパウ」を経て独立した本多誠一氏。店名の「スリオラ」は、サンセバスチャンのスリオラ海岸に由来する。開店から1年を待たずして、2012年以降ミシュラン1つ星を獲得。2015年以降は2つ星。2015年5月、銀座の交詢ビルに移転しリニューアルオープンした。
東京都中央区銀座6-8-7 交詢ビル4階
※当レポートは、2012年1月訪問時の情報をもとにしています。レストランご利用の際は最新の情報をご確認ください。
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