セニョーラ・あ〜の気ままな食卓

カジュアルでモダンな料理に舌鼓

東京・下北沢「サーモン アンド トラウト」

2019年12月10日 更新 2014年9月 公開

サーモンアンドトラウトの鹿カツ

2014年8月末にオープンした東京・下北沢のレストラン&バー「Salmon & Trout(サーモン アンド トラウト)」。7坪という狭い店内にあるのは、こだわり、センス、遊び、本物…。厳選食材で作るシェフご自慢の創作料理が堪能できます。

2019年9月からは、元八雲茶寮、HIGASHIYAMA Tokyoスーシェフを勤めていた中村拓登シェフを迎えて新たな展開をみせています。

■■■目次■■■

【1】2017年4月写真レポート

【2】2014年初訪問レポート

 ・旬の食材で作る料理

 ・カウンターの醍醐味

 ・新感覚レストラン

【お店情報】サーモン&トラウトのおすすめシーンと予約

■■■■■■■■

スポンサーリンク

2017年4月写真レポート

サーモン アンド トラウトは、国内外のシェフを招いてのコラボイベントを不定期で開催しています。4月には、タイ・バンコク「80/20(エイティー・トウェンティー)」のシェフによるポップアップディナーがありました。

バンコクの「Top Tables 2017」で15位に入っている「80/20」の料理とお酒のペアリング。どんな雰囲気だったのか、参加した方から写真をご提供いただきましたので紹介しますね。

80/20の料理にあわせたお酒

80/20の料理に合わせた日本酒やワイン

▲ 料理にあわせて登場したビールや日本酒、ワインなど。

スープ

スープ拡大

▲ コリアンダー風味の冷製スープ。ミョウガも入っています。

タルト

▲ タルト。下に敷いてあるのは干しガランガル。

牡蠣

▲ 牡蠣

鰹とトマト

鰹とトマト、拡大

▲ 鰹とトマト。よくわからないけど、タダのトマトじゃなかったそうな。

ホタルイカとアスパラ

▲ ホタルイカとアスパラ。

筍と揚げた竹虫

▲ 筍と揚げた竹虫。

あさりとブラックバス

▲ あさりとブラックバス。

羊の煮込みと野菜

▲ 羊の煮込みとじゃがいも、たまねぎなど。

ほかにデザート2品。

タイ創作料理のテイストと日本酒などが見事にマッチした新感覚ディナーだったようです。

■■■↑目次に戻る↑■■■

2014年8月初訪問レポート

オープン間もない頃は、まだメニューなどが定まっておらず、スタイルも模索状態ながら、荒削りの中にキラリと光る繊細さが不思議な魅力を放っていました。以下2014年9月に訪問したときのレポートです。

■グルメデータ

訪問日時:2014年9月中旬 ディナータイム

内容:2人で、アラカルトのサーモン&サラダ(1,750円)フィッシュ&チップス(1,700円)、鹿カツ(2,000円)などと、グラスでビール(900円)、日本酒(700円)など。

下北沢駅から徒歩10分、店内には自転車が…

お店の場所は、世田谷区代沢の代沢小学校近く。最寄り駅は下北沢駅か世田谷代田駅で、三軒茶屋からも歩いていけます。初めてだったので、下北沢駅から南口商店街を抜け、茶沢通り沿いにお店を目指しました。

入り口

10分ほど歩いたでしょうか。危うく通り過ぎそうになったところで、左手側にチョークで「Salmon&Trout」と書かれたドアが目に入りました。ここかな? 足下には小さくメニュー看板が出ています。ここのようです。

それにしても、メニューが簡素。前菜盛り合わせとお酒しかないんかい!?(笑)あ、よく見たらドアにメニューが貼り付けてありました。

店の外観

白い壁の一軒家。道路に面した窓からも店内の様子がうかがえます。

店内

入ってみると、コンクリート打ちっぱなしのようなテイストのグレーの壁に、木のカウンターテーブル。シンプルな照明にステンレスの調理台と、ガレージか倉庫のような内装になっています。

自転車が飾ってある店内

そしてなぜか、入り口には自転車が留めてあり、窓際の壁にも自転車が…。インテリアなのか売り物なのか、シュールな光景に戸惑いつつも、口から出た言葉は「面白いね~」。

窓際のテーブル

カウンター7席、窓側の長テーブル3席。椅子は適当に、移動・増減が可能なようでした。

■■■↑目次に戻る↑■■■

旬の食材でその日の料理

メニュー

さて、料理。品数は決して多くはありません。生牡蠣(3p)1,400円、ツブ貝のアイオリソース1,300円、サーモン&サラダ1,750円、ファーマーサラダ1,450円、フィッシュ&チップス1,700円、ローストチキン1,500円、鹿カツ2,000円、スープヌードル1,200円などなど。

どれにしようかとメニューを眺めていたら、「前菜からヌードルまでをコース仕立てにもできるし、メイン中心のワンプレートにもできるし、アラカルトで好きな物を適当に選んでもらってもいいし…」とシェフ。

その日のおすすめを聞き、好き嫌いを伝えるなどした結果、おまかせで何品かお願いすることにしました。

(追記:東京カレンダー 2015年9月号の紹介記事によると、10品程度のおまかせコース(6,500円)があるようでした)

ドリンクメニュー

次に、飲み物。リストには売り切れているのもあるし書き加えられているのもあるし。これもソムリエからおすすめを聞きつつ、好みを伝えて、適当に選んでもらうことにします。

品数の少なさを、シェフやソムリエと相談しながら決められる自由度の高さで、うまくカバーしていますね。

ビール

まずはビール。銘柄は忘れてしまいましたが、しっかりと麦芽の味のする濃いビールでした。 ここで軽く何かつまみたいところですが、チーズとかハムとかオリーブとか、すぐに口に入れられるものがこのときはありませんでした。

ナッツでもいいから、なにか突き出し的なものがあるといいのになあ。なんてことを言いながら、シェフが作る料理を眺めていられるのが、カウンター席の最高のおつまみなのかもしれませんけれどね。

■■■↑目次に戻る↑■■■

作る過程が見えるカウンターの醍醐味

海の幸のサラダ

シェルフィッシュの盛り合わせ。

海藻サラダが敷かれたホーローの深皿に、生牡蠣、ムール貝、つぶ貝、ザリガニの盛り合わせ。これらを特製のタルタルソースでいただきます。この日はザリガニが入っていますが、内容はそのときの仕入れによってかわってくるようです。

ワイン蒸しのザリガニやムール貝をタルタルにつけて食べると・・・うまーい。いろんなハーブが複雑に絡み合ったタルタルは、ちょっと癖になりそうな大人味です。

牡蠣やつぶ貝

生牡蠣やツブ貝には、それぞれにあったドレッシングがかけられていました。味つけが細やか! そういえば、ほぼ日スタッフにもサラダが好評だったようで、ソースというかドレッシングがいいんですよねえ。

酒とワイン

で、飲み物は日本酒と白ワインに。純米吟醸「小左衛門」もワイングラスでいただきます。ほのかな香り、すっきり上品な味わいがわたし好みです。ワイングラスで日本酒。うちでもやってみましょう。

サーモンサラダプレート

そうこうしているうちに、サーモン&サラダができあがりました。盛りつけの一部始終を見ていましたが、野菜の並べ方や調味料のかけ方がそれはそれは丁寧。同じ酢漬けでも、野菜ごとに漬け汁の塩梅が違うようでした。

サーモンのアップ

でもって、このサーモンの身がしっとりと柔らか。生のようなねっとり感を保ちつつ、ぎりぎり火が入っている感じなんです。おうちじゃできない仕上げ方です。

サーモンの皮

上にのっているのは、カリカリに揚げたサーモンの皮。この食感の違う身と皮が口の中で融合するのです。たまりませんなあ。

ポーチドエッグときのこソテー

次にきのこのソテー、ポーチドエッグフライのせです。ハーブがたっぷり。

黄身がとろけるポーチドエッグフライ

ポーチドエッグフライにナイフを入れると、黄味がとろ~り流れ出します。外はカリカリなのに中は半熟。なんでしょう、この絶妙な仕上がり具合。キノコと共にぺろりといただきました。

ここでパンがあったらなあ…。(ひとりごと)

フィッシュ&チップス

どんどん出てきます。フィッシュ&チップス。大人味タルタルも再度登場。チープなアルミのお皿がいいじゃないですか。レモンをきゅっとしぼっていただきますよ。

フィッシュ&チップス2

かりっかりの衣をまとったワカサギは、噛むと身はふわんふわん。じゃがいもは、一度ふかしてから揚げているためか、ほこほこ食感から一転クリームのように舌触り滑らかでとろけるようでした。

いつもはカマスで作っていて、頭から食べられると評判なのだとか。へええ。このカリカリ具合、何が違うのかな、衣?揚げ温度?

鹿カツ

そして、じゃーん、鹿カツ。今回一番期待し、一番恐れていた一品です。鹿、どうよ?

鹿カツアップ

赤身にナイフをいれると、けっこう切り応えのある引き締まり具合。口に含むと、硬すぎず柔らかすぎず。じゅわじゅわと肉の旨みは出てくるけれど、ジビエ独特の臭みなどはまったくなし。ほんのりとカレー風味をまとった上品な赤身肉は、予想を遙かに超えたおいしさで、いくらでも食べられそうなヘルシーな味わいでした。いやあ、これが鹿?

ごろんと添えられたキュウリさえ、みずみずしくて感動ものでしたよ。(って、大げさ)

厳選食材を目の前で調理してくれるので安心だし、ごまかしがきかないオープンキッチンだから、シェフも真剣勝負です。

最後に自慢のスープヌードル(創作ラーメン)を食べてみたかったのですが、お腹がほどよく満たされ、時間も無くなったので今回は断念。バニラアイスの味醂がけで〆ました。

アイスクリームの味醂がけ

よくシェリー(ペドロヒメネス)をアイスにかけたりしますが、それと同じ。この一子相傳 小笠原味醂のまろやかで深みのある甘みが、プレーンなバニラアイスをグレードアップさせるんですね。

選べるスプーン

このとき使ったスプーンがこれ。好きなスプーンを選べたのです。ちょっとした遊びに心躍りました。

■■■↑目次に戻る↑■■■

これからが楽しみな新感覚レストラン

外観やオブジェなど

ああ、おいしかったと店内を見渡せば、やはりどことなくシュールな光景。小劇場やライブハウスが多い下北沢らしい店構えと言ったらいいのでしょうか。ミュージシャンやクリエーターのお客様も多いそうなので、おそらく若者向けなのでしょう。とはいえ、粋なオヤジやかっこいいネエさんが足を運びたくなる雰囲気もまとっています。

ライブで高揚した気分を、ここでクールダウンさせて帰るのもいいかもしれませんね。

鮭のオブジェ

店内にはサーモンかマスなのか、気がつけばそんな絵やオブジェがあちこちに…。楽しく泳ぎまわり栄養を蓄えて、帰り着く先はどこなのでしょう。大人の隠れ家的な、いまどきの本物志向のレストラン&バー(わたし的には美食バル)。今後がマスマス楽しみです。

(2014年9月訪問)

■■■↑目次に戻る↑■■■

スポンサーリンク

Salmon & Trout

ロゴ

2014年8月オープンのレストラン&バー。

初代シェフは国内外の星付きレストランで経験を積み、「omotesando sakaba」を経て、レモンサワー専門店「The OPEN BOOK」のプロデュースや雑誌「RiCE」の編集スタッフとしても活動する森枝幹氏。

2019年9月からは、元八雲茶寮、HIGASHIYAMA Tokyoスーシェフを勤めていた中村拓登シェフ。

カヴィストはオーナーの柿崎至恩氏。

生産者から直接仕入れた食材で作る創作料理は、ジャンルを飛び越え新しい食体験に導いてくれる。店名の「salmon and trout」は俗に「痛風」という意味がある。

東京都世田谷区代沢4-42-7

※当レポートは、2014年9月訪問時と2017年4月の情報をもとにしています。レストランご利用の際は最新の情報をご確認ください。

■■■↑目次に戻る↑■■■

スポンサーリンク

スポンサーリンク