カジュアルに楽しめる本格フレンチ
東京・西荻窪 ビストロ「サン・ル・スー(SANS LE SOU)」
2016年3月上旬、東京・西荻窪の「サン・ル・スー(SANS LE SOU)」に行ってきました。「中央線沿線のコスパのいいレストラン」とか「西荻マダム御用達のフレンチ」などと言われているビストロです。ご紹介しますね。
■グルメデータ
レストラン:ビストロ サン・ル・スー(SANS LE SOU)
訪問日時:2016年3月上旬 ディナータイム
内容:ディナーコース(Menu Petite Portion)に、キール、赤ワインをグラスで。
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【場所】中央線沿いのビルの2階
「サン・ル・スー(SANS LE SOU)」は、東京・中央線の西荻窪駅南口を出て、線路沿いに荻窪方面に2〜3分歩いたところにあります。2階なので気をつけていないと通り過ぎてしまうほど小さな入り口です。営業時間外だとメニューが出ていないので特に…。
18時に予約済みです。
というか「急遽一緒に行く予定の人が来れなくなって…」とSちゃんから代役のお誘いを受け、「行く行く〜!」と二つ返事でやってきたというわけです。棚からぼた餅。ラッキー!
細い階段を上がって2階へ。アイアンの手すりやドアノブ、黒光りする床などがレトロな雰囲気で、まるでパリの街角にある老舗ビストロのような佇まいです。
ドアを開けるなり、明朗快活なマダムのお出迎え。初めてなのに常連客と同じように気さくに接してくれて、お店の空気にすっとなじめました。
【食事】ディナーはプリフィクス3コース
テーブル席(18席)とカウンター席(6席)があり、今回はカウンター席でいただきます。広めのカウンターで椅子も座り心地がよく、ゆったりと食事ができそうです。
背後はワインセラー、脇にはグラス棚。 目の前がオープンキッチンになっているので、シェフの仕事がちらりと覗けます。
ディナーコースは、選べるプリフィクススタイルで3種類。(2016年3月現在)
- Menu ZENSAI…お酒を飲みたい人向けで、前菜2品、デザート(チーズ)
- Menu Sans le sou…通常のプリフィクスコースで、前菜、メイン、デザート
- Menu Petite Portion…少なめのポーションコースで、前菜、メイン、デザート
わたしは量が少なめの小食コース「Menu Petite Portion」、Sちゃんは通常のコースにしました。
(追記:2023年11月現在、ノーマルなコース、食いしん坊のためのフルコース、15時〜16時半のお酒とおつまみがセットになったアペロコースになっています)
メニューを眺めている間も続々とお客様がやってきて、あっという間に満席です。す、すごい。
食前酒はちょっと贅沢にキール・ロワイヤルをオーダー。シャンパーニュの細かな泡がわき上がります。カシスリキュールのほどよい甘みに、幸せ感もしゅわしゅわ〜ですわ。
まず、アミューズ。左が仔牛のすね肉のヴィネグレットソース(だったかな?)、カップに入っているのがあさりのロワイヤルです。
刻み野菜たっぷりのヴィネグレットソースが、柔らかな仔牛のすね肉にからんで、一口でノックアウト。これこれ、これよ〜。
実は、サン・ル・スーのお料理は、何度かおせちでいただいたことがあるのです。そういえば、こんなのが入っていたような…と、そのときの感動がふっとよみがえりました。
アサリのロワイヤルは、泡の下に洋風茶碗蒸しが隠れています。
あさりのだしがきいた上品で深い味わい。むき身も入っていました。
パンは自家製で、10種類ほどをトレーにのせて持ってきてくれます。その中から好きなだけ選べたので、オリーブパンやらアンチョビパンやらをチョイス。
前菜は10種類以上あって、その中から1つ選択。追加料金が必要だったり小食コースでは選べないものもありますが、それでもどれも魅力的で迷いに迷って…。結局プラス200円で「ズワイガニと帆立のタルタル」にしました。
もうね、大正解。
Sちゃんは「前菜盛り合わせ」。キッシュやパテ・ド・カンパーニュに加え野菜もたっぷりあって、ワンプレートランチとして出てきてもおかしくないほどの量でした。
これらの野菜のほとんどは、軽井沢にある契約農家から仕入れているそうで、味が濃くて新鮮。野菜本来の味を活かす調理にしているそうですよ。
わたしのメインは、これまたプラス800円で「牛フィレ肉のステーキ セップ茸のソース」。贅沢な一皿に、眺めているだけで頬がゆるんでしまいます。
一番上はじゃがいものガレット、それからほうれん草とさやいんげん、牛フィレステーキで、一番下がセップ茸のソースです。
ワインを赤(ジャパニーズブレンド)にしてもりもりいただきます。肉の焼き加減が絶妙。香り高きセップ茸もたまりません。
ワインはグラスにしましたが、ワインリストはかなり充実していて、フランスはもとより日本のワインにも力を入れているようでした。
Sちゃんのメインは「牛ホホ肉の赤ワイン煮込み トリュフ風味のじゃがいものピュレ添え」。
「美味しい」と言いながら「お腹が苦しくなってきた…」とも。見るからにボリュームがありますからね。ああ、小食コースにしておいてよかった。
デザートは、各種スイーツのほかチーズも選べたので、わたしはチーズにして、トレー上の18種類からコンテとミモレットの2種類をお願いしました。ワインを続けて飲みたかったのです。
ドライフルーツパンの薄切りを添えたチーズプレート。
Sちゃんが選んだデザートは、キャラメル風味のムースかアイスか…ちゃんとした名前は忘れてしまいましたが、美味しそうでしたよ。お腹いっぱいといいながら、ペロリとたいらげてましたから。やっぱデザートは別腹?
最後にお飲み物。おすすめは紅茶&ハーブティーです。
紅茶にしたSちゃんの前に運ばれてきたのは、茶葉入りの瓶が並んだトレー。フレーバーや茶葉の状態を見て好きなものが選べるのです。
うわ〜、どれにしましょう。テンション上がります。といっても、わたしはコーヒーにしたので選ぶ権利はないのですけれど…。
Sちゃんはジンジャー入りの紅茶にしてました。うん、うん、いい選択。
で、わたしはコーヒー。これはこれで良し。
最後にプチフール(小さなカヌレとオレンジケーキ)。
ああ、おいしかった。小食コースでもお腹大満足の充実のディナーコースでした。
【予約】ランチもディナーもお電話で
以前、サン・ル・スーの洋風おせちをいただきながら「一度行ってみるといいよ」と食の師匠にすすめられていたのに、ずいぶんと時間がたってからの訪問になりました。(といっても、棚ぼた訪問なんですけど)
なんでもっと早く来なかったかなあ。本当にいいレストラン。中央線沿線のどこかで食事を…なんてときはココですね。前もって電話予約しておくと確実です。
(2016年3月訪問)
■東京・西荻窪「サン・ル・スー(Sans le sou)」のおすすめシーン
お一人様から少人数での会食まで、気軽に本格フレンチを楽しみたいときに…。女子会、デート、家族での誕生日や記念日の食事会など、くつろいだ雰囲気のなか、ゆったりとコース料理が味わえます。ワインが充実しており、お酒重視の食事も可能。
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東京・西荻窪「サン・ル・スー(SANS LE SOU)」
1995年、西荻窪の東京女子大近くにオープン。2003年に現在の地に移転。
店名の「サン・ル・スー(sans le sou)」とは、フランス語で「一文無し」という意味。金子シェフがフランス修業時代に、夫婦で旅行と食べ歩きを続けた結果「一文無し」になったことから、ゼロからのスタートという意味を込めてつけたそうです。
ミシュラン2017のビブグルマン(5,000円以下で食べられるコストパフォーマンスの高いおすすめレストラン)に選ばれています。
東京都杉並区西荻南3-17-4 第2篠ビル2F
サン・ル・スーのおせち
▲ サン・ル・スーの洋風おせち三段重2008
サン・ル・スーの洋風おせちを初めていただいたのは2008年。マリネやテリーヌなどが27品入って、ライ麦パン付きでした。
たとえば、
・鴨とフォアグラのコンフィのテリーヌ
・塩漬け豚肉のゼリー寄せ
・穴子のエスカベッシュ
・牛ホホ肉の赤ワイン煮込み
・帆立貝柱と海老のムース
・黒豆のマリネ シェリービネガー風味
・お豆のペースト クミン風味
・酢じめのイナダとクスクス
・塩漬け鱈のサワークリーム和え
・赤ピーマンのムース
・スモークサーモン
・フォアグラ
などが入っておりました。
数量限定でお店まで取りに行かなくてはいけないので、ご近所の常連さんだけが注文できるスペシャルおせちです。
▲ サン・ル・スーの洋風おせち三段重2012
洋風おせちというと、オードブルの詰め合わせのようなもの?と思っていましたが、サン・ル・スーは違いました。
黒豆は甘い煮豆ではなくマリネだったり、きんとん風のものは、パンやクラッカーに合うペーストだったり、伝統的な日本のおせちを意識しつつ、フレンチの技と美味がぎゅっと詰まっていたのです。高級フレンチ総菜の極み、フレンチの底力を見た気がしましたね。
これぞ本物の「洋風おせち」、いや「本格フレンチおせち」でございました。
※当レポートは、2016年3月訪問時の情報をもとにしています。レストランご利用の際は最新の情報をご確認ください。