本間るみ子さんが代表をつとめる「フェルミエ」は、日本のナチュラルチーズ専門店の草分け的存在。直営店が東京(愛宕、渋谷、品川、恵比寿三越)にあるので、お店で買うこともしばしばです。イベント出店時やオンラインショップも利用したことがあります。
スペインチーズに関しては、本間さんご自身が数年間ツアーを組んでスペインのチーズ生産者をまわられた時期があり、取り扱い数も多く、お詳しいので絶対の信頼を寄せています。
フェルミエ・オンラインショップから取り寄せたのは、2010年当時予約注文でしか入手できなかったフレッシュチーズの「クワハーダ」。
クール宅急便で届き、包みの新聞紙を開くと、さらに緩衝シートにくるまれていました。
購入したのは、スペイン・カタルーニャ製のクワハーダ・デ・オベハ(CUAJADA DE OVEJA)のほか、食べ比べのため同じようなフレッシュチーズのフランス・バスク製カイエ・ド・ブルビ(CAILLE DE BREBIS)。そして、ケソ・マンチェゴ9カ月とテティージャです。
▲ マンチェゴ9カ月
「マンチェゴ」はラ・マンチャ地方原産のマンチェガという品種の羊の全乳で作られるスペインを代表するチーズ。熟成の度合いによって味わいが変わります。
6カ月までは、白く柔らかでほのかな甘みとコク、9カ月を超えると黄みがかり引き締まって羊乳のコクとナッツのような風味が味わえます。
側面のギザギザは網目模様。かつてエスペルト茅で編まれた型にチーズを入れて成型していたので、今でも型にその網目模様をつけて再現しているのだとか。
テティージャは、ふくよかな円錐形の形から別名おっぱいチーズとも呼ばれているガリシア地方の牛乳製チーズです。
脂肪分が高くねっとりと濃厚なわりに優しい味わい。白ワインとよく合います。食べやすいチーズなのでお子様でも大丈夫です。
▲ クワハーダ・デ・オベハ
そしてお目当ての「クワハーダ」。ヨーグルトのように見えますが、羊乳で作ったミルクプリンみたいなフレッシュチーズです。素焼きの壺に入っていて、蜂蜜をかけて食べます。
フランス・バスク製のカイエ・ド・ブルビと食べ比べてみましたが、ほとんど同じ。メーカーが違うだけのような…。羊乳の濃くてほのかな甘みで、蜂蜜をかけなくてもおいしくいただけました。
これは「世界料理サミット2009 TOKYO TASTE」のイートインコーナーに出店していたときに購入した「スペインチーズセット」です。入っていたのは、マンチェゴ9カ月、アルスア ウジョア、バルデオンの3種類でした。
▲ アルスア ウジョア
「アルスア ウジョア」は、ガリシア産でセミハードタイプ。牛乳から作られており、テティージャのようなミルキーな味わい。マイルドで食べやすいチーズでした。白ワインと合います。
▲ ケソ・デ・バルデオン
「バルデオン」は、カスティーリャ・イ・レオン産で牛乳を主に山羊乳を加えた混合乳で作られています。しっとりと芳醇で濃厚な味わい。
塩水に浸けた楓の葉で包むのが特徴で、会場にあったホールの「バルデオン」も楓つきでした。フルボディの赤に合います。
フェルミエは渋谷駅直結の渋谷ヒカリエ ShinQs(シンクス)東横のれん街に入っているので、利用しやすいんですよね。スペインチーズでは、ケソ・マンチェゴのほか、サン・シモン等買っています。
▲ サン・シモン・ダ・コスタ
「サン・シモン」の産地はガリシア地方のルーゴ県テラ・チャ。牛乳製。テティージャよりもややとがった円錐形をしているので「とがったおっぱい」とも言われています。
味は、よくコーヒー牛乳のような…と例えられます。 2カ月ほど熟成後、アベドゥールという樺の木の一種でスモークしてあるので、その香ばしさがミルク感と相まって、かすかにコーヒー牛乳の風味なんです。食べやすいチーズです。
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というわけで「フェルミエ」は、実店舗でもオンラインショップでもスペインチーズが充実しています。もちろん在庫切れもありますが、通常でも10種類ほどは揃っています。
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グルメソムリエは、イベリコ豚や生ハムなどの輸入食材を取り扱っている通販サイトです。スペイン産のワインやチーズもあり、生ハムを買うついでにアルバラシン社のチーズをお取り寄せしました。
羊乳チーズのアルバラシンの銀ラベル(右)とローズマリー風味のケソ・ロメロの2種類。
ケソ・ロメロの表面にはローズマリーがびっしり。
切ってみると、セミハードチーズらしく表面がざくざくと波打ち、さわやかなローズマリーの香り。ローズマリーは表面にまぶしてあるだけなので、指で簡単に振り落とせました。
羊乳チーズにローズマリーの爽快なスパイシーさが加わって、とても食べやすい。赤ワインにぴったりでした。
銀ラベルの羊乳チーズも美味。マンチェゴよりも癖のない羊乳で作られているそうで、確かにコクがあってマイルドな味わいでした。
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グルメソムリエは生ハムやイベリコ豚などと一緒に買えるのがポイント。種類は少ないけれど、スペイン料理の食材を揃えるときに重宝します。
そのほかスペインチーズは、スペイン関連のイベントなどでも入手できますね。メノルカ島のマオンチーズは、料理教室で分けてもらいました。
▲ マオンチーズ
マオンは牛乳製で、布に包んで座布団のような形に圧縮するので、断面が独特の形をしています。発酵過程にできる小さな気孔もあちこちに。外皮が黄褐色なのは、熟成時にぬるバター、パプリカ、オリーブオイルなどのせいだそうです。
コクと潮気を感じるチーズで、シェリーと相性がいいのですが、料理に使うと味に深みがでます。このときはサラダに使いました。
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このほか、スペインチーズは、神楽坂の「アルパージュ」や楽天市場「フロマージュ」からも入手できます。
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スペイン語でチーズは「queso(ケソ)」。
スペイン北部では牛乳、内陸部では羊乳、地中海沿岸や山間部では山羊乳を使ったチーズが多く、またそれらを混ぜ合わせた混乳チーズもあって、各地域で風味豊かなチーズが生産されています。
ケソ・マンチェゴやカブラレス、マオン、イディアサバルなど伝統的なチーズの多くは、DOP(原産地呼称保護)に指定されています。
▲スペイン・カナリア諸島のテネリフェ島のチーズ(オロタバ・ガペロンは牛乳製ハーブ入り/オロタバ・グラナはクローバーを食べた牛の乳で作ったチーズ/テネリフェ・パプリカはオリーブオイルとパプリカをまぶし成熟させた山羊乳チーズ/テネリフェ・スモークは山羊乳チーズをサボテンの葉で薫製したもの)
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