東京・神楽坂の「Comedor El Camino(コメドール・エル・カミーノ)」は、皆に惜しまれつつ、2017年7月31日に閉店されました。
以下、2010年11月に伺ったグルメレポートです。
以前からあるスペインバル「エル・カミーノ」には何度か行ったことがあるのですが、食事がメインの「コメドール」のほうは初めてです。今回は女性4人でわいわいです。
注目の料理はアロスメロッソ。スペイン風おじやです。
場所は、飯田橋からギンレイホールのある軽子坂を少し上がったところ。このお鍋のマークの看板が目印です。
バルの「エル・カミーノ」は2階ですが、「コメドール」は4階です。20席ほどのこじんまりとした空間、白を基調とした内装、白熱電球の明かりで、店内はシンプルながらあたたかみがあります。
(カメラがこの明かりに対応できず、というかわたしがホワイトバランスをうまく調整できず、写真が黄色っぽくなってしまいました。すみません。)
壁側の席にはクッションがあって、後ろにはバッグなどが入れられる溝があります。スマートですね。
メニューはコース(4,500円 税・サ別)のみで、1の皿(前菜)、2の皿(主菜)とデザートが選べます。
今年はスペイン各地の料理を、月がわりで提供していて、今月は内陸部のマドリードを中心としたカステーリャ、ラマンチャ地方のお料理だとか。
まず、軽いおつまみがやってきます。じゃがいものトルティージャとうずらのテリーヌじゃがいものせ。
それとテーブルオリーブが、こんなかわいい瓶に入ってやってきました。小さいのや大きいのやいろんなオリーブが人数分。
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飲み物はまず、カバ「Vinya maruchina」を1本。
続いて、ナバーラの赤ワイン「Bodegas ALCONDE」をグラスで。カバは辛口ですっきりとおいしかったですね。
1の皿(前菜)で選べるのは、以下の4種類。
で、「ソパデアホ」をのぞいた3種類をそれぞれ注文。人数が多いと別の物をオーダーして、いろいろ味見できるのがいいですね。
わたしが注文した「きのこのソテー」。各種キノコをじっくりと炒めてあります。
「砂肝と仔羊の胸腺肉の赤ワイン煮込み」。これぞスペイン内陸部の味です。
2人がたのんだ「ピストマンチェゴ」。野菜のトマト煮(ラタトゥイユ)のスペイン版ですね。燻製パプリカがきいていました。黄身がとろとろ。
かごに入ってきたパン。バスクの栗の木で作ったかごじゃないかな。いいなあ。パンは焼いてあって熱々です。赤ワイン煮のソースをつけていただきました。
本来パンは主菜のときに出てくるようなのですが、赤ワイン煮のソースをパンにつけて食べたくなって、早めにリクエストしてしまいました。ってひとのお料理なんだけど。
2の皿(主菜)は、9品の中から選べました。またまた4人別々です。
わたしが選んだのは、「うずらと白インゲン豆の煮込み」です。いんげん豆がとろとろに煮崩れて、あんこかクリームかってぐらいの濃厚な煮汁になっています。もちろんパンにつけていただきます。うずらも丸ごと一羽分。ボリュームあります。
ボリュームがあるといえば、この「鯛のマドリッド風」です。2人分は優にありました。結婚式の尾頭付きって感じで、ど~ん! 表面を覆っているのはパン粉を炒めたペースト状のもので、おなかにはレモン。オーブンで蒸し焼きにしたのかな。
ほかに「仔羊の肩ロースと仔羊のレバーの煮込み」。
「ホロホロ鶏のペピトリア(アーモンドソース煮)」。
そして、ここの売りであるお米料理「小えびとイカのアロスメロッソ」。オジャ(鉄鍋)にたっぷり入って運ばれてきて、テーブルで自由にとりわけます。
おなかいっぱいで「あんまり食べられないかも」と言いつつ、お米がやわらかくしつこくないので、おかわりをしてしまいました。
魚介のだしがしっかりしみていて、スペインらしい濃い味付け。やはりパプリカがよくきいています。これ食べながら、赤ワインもいけそうでしたね。
デザートは、4種類でそれぞれ注文。
わたしがたのんだ「マサパン」。アーモンドクッキーといった感じ。クリームチーズが挟んでありました。
「ナティージャ」。カスタードクリームです。ポルボロンみたいなビスケット付きです。
「紅芋のタルト」。ソースの形状が面白い。
「アニスのグラニサード」。アニス酒の甘い香りと味。
最後は、カフェ・コン・レチェ(カフェ・オ・レ)で、ごちそうさまでした。
いやあ、おなかいっぱい。大満足。4人でコース料理とカバ1本、赤ワイン2杯で、28,060円でした。
開店の6時にはわたしたちだけだったのですが、予約していたらしい人たちが続々と入ってきて、気づいてみれば、満席です。
スペイン伝統料理の味を変にアレンジせず、きっちりと提供してくれて、ボリュームがある。価格は良心的。親しみやすいサービスと裏切らない味が、人気の秘密なのかもしれません。
ひと皿の量がしっかりとあるので、別々に頼んでシェアして正解でした。
「小えびとイカのアロスメロッソ」は、しっかりと魚介のだしがきいてとても美味。日本の雑炊とはやはり違いますね。米からじっくりとスープで煮て味を染みこませているのでしょう。おうちでは冷ごはんを入れて簡単に作る事が多いけれど、たまには米から本格的に作らないとね。
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