京都・西木屋町四条「京料理 くりた」



グルメデータ

訪問日時:2011年12月中旬(日曜・夜)
  18:00〜21:00

人数:2人

内容:おまかせコース(7,000円)に生ビール2杯、日本酒2合で18,800円(2人分)

京料理くりた

京都・西木屋町の京料理店。カウンター8席、テーブル1卓(4席)で、2階には個室(8席)がある。店主の栗田さんは三代続く生粋の料理人で、実家の料亭で腕を磨いた後、1995年に独立。リピーター客が多く、旬の素材を生かした料理には定評がある。昼・夜ともにおまかせコースのみ。要予約。お店と同じ味を求める方に、手作りの柚子味噌や煮豆などを店頭やネットで販売もしている。

京料理くりたサイト 

京都に行ったら京都らしい料理が食べたい。
できればあんまり値ははらず、気軽におちつける場所で。

そんなわがままを叶えてくれたのが
四条河原町駅近くにある「京料理くりた」です。
昼は2,800円、夜は5,000円からあって、
季節ごとに旬の素材を生かした料理が味わえるのです。

予約が取りづらくなると困るな〜と思いながらも、
誰かに教えたくなってしまう、そんなお店。
ええい、紹介しちゃいましょう。

場所は京都、四条河原町駅から歩いて5分程度。
風情のある高瀬川のほとりの路地を入ったところにあります。

電話で予約を入れた際「道に迷ったらお電話を」と
言ってくださったのですが、高瀬川沿いの木屋町通りを進んで
石橋を渡るコースにしたら、難なくたどり着けました。

紺地に白ぬきの「くりた」ののれんが目印。

のれんをくぐって中に入ると、左側に小さなショーケースがあって
奥に白木のカウンターと4席あるテーブルがひとつ。
狭いながらも、カウンターの幅は広く席もゆったりと配置されていて
清潔感のある明るい店内です。

予約は午後6時。10分前に到着し、わたしたちが一番のりでした。

カウンターには8席分のお膳が並んでいます。
松ぼっくりの形の箸置きがかわいい。

昼も夜も特にメニューはなく、おまかせコースのみ。
夜は、5,000円、7,000円、9,000円とあったので、
予約時に7,000円をお願いしておきました。

飲み物はいつもの癖で生ビールにしてしまいましたが、
1品目を見て日本酒にすればよかったと後悔です。

まず、汲み上げ湯葉。
ほんのり柚子がきいていて、豆乳クリームかおぼろ豆腐かといった感じ。
濃厚な大豆の甘みにうっとりです。
湯葉というと表面に張った膜のイメージがありましたが、
汲み上げたものは、その形をとどめずとろんとしているんですね。

そして八寸。ひとつひとつが丁寧に作られています。
お皿の上のもはすべて食べられるそうで。

右から、手長海老、青味大根、キュウリの中に入っている筋子。
中央に生麩、利休麩、黄身の味噌漬け。昆布でできた籠には、
栗をスライスして揚げた栗煎餅やくるみ、松の実、ぎんなん。
手前に稲穂の素揚げがあり、奥の小魚は琵琶湖のヒガイです。

ヒガイは、漢字では魚へんに天皇の「皇」で「鰉」と書き、
明治天皇が好んで食べたことから付けられたそう。

お皿の上の品々を丁寧に説明してくれ、ほおほおと頷きながら聞いたわりに
耳をすう〜っと通り抜けていき、口に運ぶ段になって、
「これ何でしたっけ?」

そんなときでも、ご主人はいやな顔ひとつせず
産地や作り方などのミニ情報を付け加えて教えてくださいました。

卵の黄身を味噌漬けにしたものは、からすみのような味わいで
ねっとりと濃厚。ああ、日本酒が合うのになあ。

でも揚げ稲穂のお米は、お塩がきいてビールにも合いました。
本物の軽く干された稲穂を油で揚げると、
まるで白い花が咲いたように弾けるんですね。
稲穂が入手できたらやってみたいな。コツがいるんでしょうけれど。

それと驚きだったのが、昆布で編まれた籠です。
これも素揚げにしてあって、パリパリと食べられました。

そうこうしているうちに、続々とお客さんがいらっしゃって店内はほぼ満席。
やりとりを聞いていると、どうやらお馴染みさんが多いようです。
一度足を運ぶと、また来たくなるのでしょう。

ここでやっと日本酒に。
辛口をお願いしたら、長野の純米酒「水尾」を出してくれました。
冷やでいただきます。切れの良いすっきりとした味わい。

お造りは、いかの糸作りと寒ブリ(背と腹)です。

茶色いのは「ばくだい」で、茶懐石や精進料理などでは
刺身のツマとしてよく使われるようですが、初めて見たような…。

今まで知らず知らずのうちにいただいていたのかもしれませんが、
「バクダイという木の実です」と教えていただいて、
これが木の実?と驚きました。

乾燥したバクダイを水で戻すと、果肉が膨張して量が何倍にも増えるので
「ばくだい(莫大)」という名が付いているとか。
食べてみると、水で戻した寒天のような不思議な食感でした。

このお刺身は食べる順番があって、
まずイカをぴりっと辛い山葵で、それから寒ブリをまろやかな薬味で。

寒ブリの薬味には、山葵の他に大根おろしと卵の黄身が
加えられているため、辛味がぐっと抑えられています。
それをお醤油に溶かし、たっぷりとつけていただきます。

寒ブリは背も腹も本当においしい。
プロの手にかかったお刺身は、ひと味もふた味も違うんですよね。

ふろふき蕪。
蕪には菊花の形に切り込みが入れられて、色鮮やかな柚子味噌がとろ〜り。
この味噌がクリーミーで、蕪の煮汁と相まってまるでミルクのようです。

そういえば、席に着いた頃、ご主人が剥いていたのがこの蕪だったような。
ひょいひょいと慣れた手つきで包丁を動かして、
きれいな飾り切りをしてるなあと思ったのです。

でも、切り込みは飾りだけじゃありませんでした。
かくし包丁が入って、火通りを良くし食べやすくもなっていました。
こういうところが家で作るのと違うんですよねえ。

ご主人はカウンターの中で適度に話に付き合ってくれつつも、
たえず手を動かしてテンポ良く仕事をこなしています。

このお魚「ほんもろこ」も、食材へのこだわりなどを
聞いているときに目の前で、調理されていました。
まだ生きている状態で串に刺し、塩をふって焼いていたのです。
鮮度が命なのでしょう。

ほんもろこは琵琶湖の淡水魚で、最近は養殖物もあるようですが、
希少なお魚のようです。わたしはたぶん初めて。

蓼酢をつけて、頭からまるごとぱくり。
身がほろっとやわらかくて、香ばしくて、何尾でも食べられそうです。
これを肴に飲む「水尾」の口当たりのいいこと!

煮物は海老芋の蟹あんかけ。
口に含むと、ねっとりとした海老芋にしょうがの風味がふわっと広がります。

ご飯は穴子ごはん。香の物としめじのお吸い物付き。
穴子ごはんは、あっさりめに仕上げてあり、おかわりもできました。
好みで粉山椒をふりかけます。

苺と梨とオレンジ。
フルーツは厳選されているんでしょう。芳香よく味が濃いものばかりです。

最後に、栗の渋皮煮とほうじ茶。
渋皮の存在を忘れるほどに蜜が中まで染みこんで、
しっとりと上品な和風マロングラッセをいただいているようでした。

ああ、大満足。ごちそうさまでした。

だけど食事が終わっても、居心地が良くて席を立ちたくない気分です。
「ゆっくりしていってくださいね」と熱いお茶を入れていただいて
いやいや、お言葉に甘えては野暮というものと腰を上げました。

手を抜かない丁寧なお料理に加え、
ご主人の醸し出す温かな雰囲気に惹かれて、
二度三度と足を運ぶ方が多いのでしょう。

帰り際にショーケースに並んでいた「くりた特製いんろうふりかけ」を
お土産として購入しました。これがまたおいしくて!

京都に行く機会があったら、また伺いましょう。
今度は人気の看板メニュー「海鮮ピラフ」をいただきに。

(2011年12月訪問)


京料理くりたのおすすめシーン

1〜2人でカウンターもいいし、2階を貸し切って少人数での会合も。
昼・夜ともに予約が必要ですが、東山界隈の観光の際には気軽に立ち寄りたい。

京料理くりた
京都市下京区西木屋町通四条下る

京料理くりたサイト

※当レポートの情報は2011年12月現在のものです。


  【関連記事】 京料理くりたの「いんろうふりかけ」(2011/12/23)


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