京都・二條若狭屋の葛湯「不老泉」
京都のお土産に二條若狭屋の不老泉をいただきました。昔懐かしい優しい味わいの葛湯です。パッケージも素敵でしょ。ご紹介しますね。
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不老泉は3種類
こんな包装紙に包まれた二條若狭屋の不老泉。大正時代からの人気商品で二條若狭屋を代表するお菓子だそうですよ。
包装紙を解き、箱を開けると小箱が3つ並んでいました。外観は羊羹か落雁か、あるいは金平糖でも入っているように見えますが…。
同封の「お召し上がり方」には、『袋の中身をお椀等の容器に入れ 沸騰した95℃以上のお湯を約120cc注ぎ、よくかき混ぜて下さい』となっています。
この時点で、なんとなく懐中しるこのようなものかな〜と想像できますね。
それにしても箱の絵もサイズもかわいい。雪月花それぞれの絵柄によって味が違うようですよ。
不老泉…花(善哉)
「花」は桜。薄い蝋紙に包まれていて、紙を留めている裏側のシールに味が記載されています。
「善哉(ぜんざい)」です。このシールもレトロな感じでいいわ〜。
蝋紙の包みをあけると、おぼろげだった絵がくっきりと見えます。この絵は版画家の徳力富吉郎の手によるもので、左端に「富」の字が入っていますね。
蓋をとると、紙袋に粉が入っているのですが、箱一杯にぎっしりです。
ほら。内容量23g。
お椀に移します。原材料は、白双糖、片栗粉、晒し餡(小豆)、葛粉、餅、粳米、食塩。
95℃以上の熱湯を120ml注ぎます。
すると、細かなアラレと共に庭の千鳥が浮かび上がりました。かき混ぜると全体がとろりとしてきます。
二羽の千鳥が遊ぶ善哉風葛湯のできあがり。私の感覚では、善哉というよりもお汁粉風。甘くてとろんとして美味しい。千鳥は小さな焼餅のような食感です。
不老泉…雪(片栗)
「雪」は松。松に雪が積もっていますね。見にくいですが、左片隅に「と」のサイン。味は「片栗」です。
粉も雪のように真っ白です。内容量23gというと、けっこうな粉の量ですよ。原材料は、白双糖、片栗粉、葛粉。これだけです。シンプルですね。
お湯を注ぐと、その傍から粘る粘る。とろとろです。これにはアラレも千鳥も入っていません。
この白っぽい葛湯は素朴な味わい。昔、子どもの頃、病気をしたときなど、うちでも片栗粉とお砂糖で似たようなものを作ってくれたような…。その頃の記憶がふわ〜っとよみがえりました。
不老泉…月(抹茶)
「月」はうさぎ。ウサギが餅つきをしているお月さん。手前の花は月見草でしょうか。月の輪郭に沿って描かれてる「と」がサイン? 味は「抹茶」です。
内容量23g。原材料は白双糖、片栗粉、葛粉、抹茶、餅、粳米。
お湯を注ぐと、千鳥とアラレが浮かび上がりました。やっぱり千鳥が入っていると嬉しいですね。
抹茶味のとろとろ葛湯。身体が温まってこれもいいな〜。どれもそうですが、お湯の量で甘さやとろみの調節ができます。
まるでカルタか花札みたいな絵柄の小箱。かわいいので、味わった後も捨てられません。何を入れようかな。あてはないけど暫く飾っておきましょう。
「不老泉」は珍しいし懐かしいし、ちょっとしたお土産にいいですね。京都のお店では1個から販売しているようです。
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二條若狭屋
二條若狭屋は創業から約100年続く京都の老舗和菓子店。もともと「若狭屋茂澄」という店名だったが、京都二条通小川角に店を出した際「二條の若狭屋」が通り名となり、そのまま店名になった。
初代の藤田芳次郎氏は明治の末、中京の東洞院蛸薬師にあった老舗、総本家若狭屋にて菓子作りを修行。その後独立し「不老泉」を発売。人気となり大正14年12月には計十万個に達する。
当時は、善哉・コーヒー・抹茶・片栗の4種類あった。1箱五銭。包装には中村不折の文字と徳力富吉郎の絵を採用。掛紙は神坂雪佳。
芳次郎氏は菓子や包装、広告などのセンスが良く、山元春挙の二條離宮図と与謝野晶子の和歌を使った風呂敷の記念品を作ったこともあったという。
「不老泉」に続き「家喜芋」も人気菓子となり、今に引き継がれて二條若狭屋の代表菓子になっている。
(参考:京菓子 二條若狭屋「店舗の歴史」駒敏郎)