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「羊羹もらったよ~」と言われて、最初は「ああ、そう」ぐらいの薄い反応しか示せなかったのですが、「ドライフルーツの羊羹で…」と聞いたとたん、これは違うとピンときました。
さらにパッケージを見たとき、それは確信に変わりましたね。昔ながらの羊羹じゃない。
だいたい作ってるところが「なんとか屋」とか「なんとか堂」じゃないです。「Wagashi asobi(ワガシ アソビ)」ですよ。
一瞬、和菓子で遊ぶってなに?って思ったのだけど、おそらく遊びは遊びでも本気の遊び。
毛筆でさらりと書かれたお洒落な英字から、その本気度が伝わってきました。かっこいいな~。
落款のような赤い二重丸も利いています。このシンプルなロゴと包装に、まずぐっときちゃったんですね~。
蓋をとると、現れたのがこの姿。羊羹にドライフルーツがまるごとごろんと入っているのがよくわかります。これはすごい。
紙製の包みを開いて、羊羹にナイフを入れると、意外にもすっと切れました。
クルミが固いかも…、 ドライフルーツがはがれてしまったらどうしよう…、なんてのは杞憂に終わり、羊羹と中身はしっとりぴったりと調和して、美しい断面を見せてくれました。
ドライフルーツがまるごと入っているので、切る位置でその表情がそれぞれ違うんですよね。
イチジクと苺の断面。計算したかのような配置です。この偶然の美しさにぐぐっときました。
そして、ぐぐぐっと来たのが、その味です。
こしあんの滑らかな舌触りとドライフルーツのプチプチした食感。ラム酒がきいた洋酒ゼリーのような風味。甘さ控えめの黒糖と小豆の味わい。
うまいな~。
大人味に仕上げてあるので、緑茶や紅茶よりも、ワインやウイスキーなどの洋酒にあわせたくなる美味しさです。
バゲットパンにバターやクリームチーズをぬって挟んで食べると、これまた最高。
ナッツやドライフルーツ入りのパンのような感覚でいただけます。(それを上回る美味しさですが…)パンに合う和菓子として考えられただけあります。
そのとき思い浮かべたのがスペインの「メンブリージョ」。マルメロを甘く煮詰めて固めた羊羹のようなお菓子で、現地ではチーズと合わせてよく食べられているんです。
で、メンブリージョのようにチーズにのせてピンチョスにしてみると……合うね~。
ばっちり。安い赤ワインもこれをつまみながらだとグレードアップです。ウイスキーにも合うでしょうね、これは。
今度はワイン好きのお宅へ、うちが手土産に持って行きましょう。グラスを片手に美味しさを共有したいものね。
和菓子職人、稲葉基大氏と浅野理生氏の創作和菓子ユニット「wagashi asobi」が、和菓子の新しい可能性をもとめて生み出したパンやワインにあうドライフルーツの羊羹。北海道産小豆のこし餡と沖縄県西表島産の黒糖に、ラム酒を加えて炊き上げた羊羹に、ドライフルーツのいちごやいちじく、胡桃がぎっしり詰まっています。まるでテリーヌのような斬新な和菓子です。
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